- 名前
- しあん
- 性別
- ♂
- 年齢
- 64歳
- 住所
- 愛知
- 自己紹介
- 音楽、映画、スポーツ、ドライブなどなど好きなこといっぱい 好奇心旺盛なことだけがとり...
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Tales of Planet Tecle 12
2010年04月19日 22:34
第一章 アファレスとウヴァルス
第四話 ミリサ 2
やっと長く続いた雨が上がった日の朝のこと
イツキスとエノアが寝泊まりしていた離れから朝食のためにミリサの家に立ち寄り、食事が終わってミリサが用意してくれた旅の荷物を持って離れに戻ってみると、二人が身に付けていたマントとハルムのお守りがなくなっていた
すぐにミリサの家に戻ってそのことを報告すると、ミリサは街の人達に協力してもらって探すことを約束してくれた
そして、最初に立ち寄った街の長ラシュフの家でマントとお守りは簡単に見つかった
イツキスとエノア、ミリサの3人がラシュフの家に着くと、そこでは二組のマントとお守りを手に仁王立ちして頭から湯気を立てんばかりに激怒したラシュフと、父親に怒られてしょげかえっている幼い子供たちの姿があった
とりあえずラシュフに落ち着くように言ってから子供たちに事情を訊くと、意外な答えが帰ってきて驚いた
彼らはこの街の人々が貧しいのは、この街の唯一の産業とも言えるキシカを加工する技術がないことが原因なのだと言うのだ
そして、二人の旅人たちが着てきたマントを調べることができればキシカの糸を加工していろんなものが作れるようになり、もっとみんなの暮らしも良くなると思ったらしいのだ
そして、何よりも一番何とかしたかったことは、このマントのようにキシカの糸から作った布で、伸び縮みをし手にぴったりと合う丈夫な手袋を作れば、キシカの糸を加工するときに誤って指を切ってしまわなくても済むはずだと・・・
そんな手袋を両親に作ってあげたい一心で、どうしてもこのマントを手に入れたかったのだと言うのだ
そんな子供たちの言い分をよそに、ラシュフの怒りは一向に収まる気配をみせなかったが、イツキスは子どもたちの話を聞きながら心に小さな痛みを感じていた
子供たちにマントを盗ませたのは、この街の貧しい暮らしなのだ
子供たちの両親や街の人々を思う優しい気持ちが原因ならば、ただ怒りを爆発させていたのでは何の解決にもならない
そう思ったイツキスは、二人の子供に二度とこのようなことをしないと約束させ、部屋に戻るように言った
そして、ラシュフとミリサに向かって
「一度リリルの街を訪ねてみてください」
と申し出た
何のことだかわからずあっけにとられているミリサとラシュフを交えて、イツキスとエノアは長い時間ミリサの街のことや、リリルの街のこと、みんなが豊かな暮らしをするためには何が必要なのか?・・・そんなことを話しあった
イツキスはリリルの家にある大量の本の中に、この星に暮らす人々がみんな豊かに暮らすためのヒントが有ると確信していた
そしてキシカの加工に関してはハルムもきっとこの10年間試行錯誤してきたことで得たものをたくさん持っているはずだと思い、ミリサにリリルの街を訪ねることを勧めた
そうすることで、ある程度時間はかかるかもしれないけれども、ミリサの街もすこしずつ豊かになっていくはずだとイツキスは考えたのだった
ミリサとラシュフもその意見に同意し、すぐにでもミリサにリリルの街へ行ってもらおうということでみんなの意見はまとまった
そしてイツキスとエノアは事情を簡単に書いた手紙を両親に宛てて書き、ミリサに託した
また、ラシュフにはくれぐれも子供たちをきつく叱ったりしないように言い置いて、イツキスたちはその日はもう一日この街に留まることに決めた
こうして子供たちが街の人たちの貧しい暮らしを思うあまりに起きてしまった事件は終わり、また新たな旅が始まろうとしていた
翌日夜が明けると、イツキスとエノアはヌハへと旅立ち、ミリサは託された手紙を持ってリリルの街へ向けて旅立っていった
つづく・・・
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https://www.youtube.com/watch?v=HsDORDYBcwA
このデジログへのコメント
> 美空さん
あの鳩ぽっぽは豆が欲しくてあっちこっちをうろうろしているだけですから!
期待どおりにグダグダで意外性のかけらもありません(>_<)
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