- 名前
- しあん
- 性別
- ♂
- 年齢
- 64歳
- 住所
- 愛知
- 自己紹介
- 音楽、映画、スポーツ、ドライブなどなど好きなこといっぱい 好奇心旺盛なことだけがとり...
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Tales of Planet Tecle 10
2010年04月05日 22:10
第一章 アファレスとウヴァルス
第三話 シフォル 4
「あの時のリリルから聞かされた話は嘘であって欲しいとこの10年間考えてきた」
コトルーは静かに話しだした
「リリルはこの世界には生命のルールと言うものがあると言っていた
そのルールの中には『他人の命を奪うと自分自身の寿命が短くなる』とか
『アファレスはウヴァルスの10倍の寿命がある』とかの単純なものから
私たちにはよくわからない複雑に絡み合ったルールがたくさんあるのだと言うことだった」
「ああ、それはわしらアファレスにとっては当たり前のことのように言い伝えられてきておるよ
そしてそのルールをウヴァルスたちに教え、正しく導くのは寿命の長いアファレスの勤めだとも聞いておる
しかし、そんなお前さんたちにもわかりきったことで今更何を話さねばならんのだ?」
と、シフォルが尋ねると、コトルーは
「そう慌てなさんな
それでリリルはこんなことを言った
『あのルールの殆どを私とステンの二人で作った』と・・・
驚いたよ
もともと単純なルールのようなものがあることには気づいていたらしいのだが、それは言い伝え通りにこの星の意思だと思っていたようだ
でも、何かのきっかけでステンとリリルはそのルールを決めている場所を見つけたんだ
それが霧の谷だと・・・
それ以来ステンはずっと霧の谷を守り、リリルは里に出て彼らが作ったルールがきちんと機能しているかどうかを確認していたのだと、そう言っていた」
と、答えると
「じゃあ、ステンというのは本当にいるんだな?
アファレスたちの中でさえも神と呼ばれていて、その姿を見たものはひとりとしていないという話だぞ!
それが霧の谷に今もいると言うのか?」
と、シフォルは驚きを隠せずに尋ねた
「リリルはそう言っていたよ
それも数千年を超えて生きていると・・・
そしてリリルも同じように数千年の年月を超えて生きてきたと言っていた」
と、コトルーが昨日聞いてきたことのように鮮明な記憶を蘇らせながら答えると
「そんなバカな!
リリルはせいぜい800年も生きていればいいところだぞ!
先代のシフォルがリリルが産まれるのを取り上げたと聞いている
一体どういう事だ?」
と、シフォルは怪訝そうに聞き返した
「私にもそこら辺のことはよくわからんよ
でも、リリルはそう言っていた
そして今、あなたから聞いた若者の突然死の話で確信したよ
たしかにリリルの言うとおりなのかもしれんとな」
「リリルはなんと言っておったのだ?」
「リリルとステンの作ったルールが複雑になりすぎて原因不明の暴走をし始めたのだと言っていた
そのせいで多くの人達に迷惑がかかるかもしれないと・・・」
「それで若者たちの命が?」
「ああ、リリルに聞いた話では、昔ステンとリリルが最初のルールとも言うべきものを見つけたときには、アファレスとウヴァルスの寿命には2倍から3倍程度の違いしかなかったそうだ
そして人口の比率も今のように何億ものウヴァルスに対してひとりのアファレスなんていうことはなくて、もっと多くのアファレスがいたらしい
それが今のようになったのは、何百年もかけてステンとリリルが作り上げたルールによって決められているからなのだと言っていた
アファレスが長寿になったのも、何億ものウヴァルスからほんの少しずつひとりのアファレスに命を配分しているからだと・・・
そしてそれはステンもリリルも同じなのだと」
と、コトルーが説明するとシフォルは
「そんなことができるものか!
俺は信じないぞっ!」
と怒って言った
「そうは言ってもな、シフォル
リリルはそのルールが暴走した原因を探しに10年も前に旅に出た
そしてその原因が見つかってリリル自身では手におえない状態になっていたら必ず連絡をするから、その時にはイツキスとエノアに手伝ってもらいたいという話だったんだ
私たちの子どもたちにこの世界を救って欲しいのだと・・・
たとえそれがリリルの命を奪う事になったとしても・・・とな」
「そんなバカな!
何も知らずに旅立ったあの子たちを・・・
イツキスはあんなにリリルを慕っているんだぞ
リリルの手伝いができるというそれだけのために霧の谷までの旅路に就いたんじゃないか!
それなのにそんな残酷な・・・」
「シフォル、そんなことはあなたに言われなくても私たちにだってよくわかっている
だがな、この街はリリルの街だ
リリルが望むことならば、その望みは叶えてやらねばならん
もしその判断が間違っていたとしてもな
私たちリリルの街に住む人間にとってはそういうことなんだよ」
と、コトルーは毅然として答えた
つづく・・・
このデジログへのコメント
> 美空さん
そのあたりに僕という人間の底の浅さが出ないように気をつけなきゃね
僕自身ももっと大きな意味があると信じています(^-^)
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