どいつも、こいつも・・・

それがどれほど
美しくても
それはあきらかに

美術館に措きある、一品と
たまさか、その場を訪れた見学者の
一対一の、関係に
必然性、なんて　どこにも見出しえない、のと同じように

そこに輝ける何かは、
わがもの、ではない
わがものとして、思っては、いけない
そういう思い違いを
しては、いけない

ふと、目にした
可愛らしさに
ときめいてみたり
こころ、うばわれて、みたり
ましてや、
触れようとしては
ならない

・・・など、という戒めを
守り通していた、
去年の今頃の自分は、
なんと、犠牲的自制心に
満ち溢れていたことだろう？

ボクの居場所や存在や、
その他の、
一切合財のボクを
目の端に入れながら

ボクの投げ掛ける視線など
歯牙にもかけず
あたかもそこには
なんにもない、かのごとく
悪戯げに、残酷に
微笑を返す、そのひとみには

いったいなにが、
映りこんで、いるのだろう？

遠くの山の
更に遠くから見える焔は、
遠い日の、火事の悪夢を
否も応もなく、想い起こさせる

ぐりぐりと　いやというほど・・・