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グッドタイミング 兄と私

2009年10月20日 00:19

このところ少し元気になって
外に出歩くことが多くなった兄だが、
やはり酒が好きで、このところ2,3日連続して夜になると
隣町まで飲みに出かける。
行きはバスで、帰りはタクシイで。

そのことに少し危惧を感じた私は、
今日のの花社の他のメンバーと、
そういう兄に対してどう対応するか話し合う。
2時間半ぐらい、いろいろ話し合った。

一つは兄に対し酒を出さないこと、
アルコール依存症は、酒を断たない限り治らない傾向があること、
こうした状況が続くのは、
兄の過去のあり方の繰り返しであり、
そこから何も生まれず、兄も私たちも苦しみが増えるだけだということ
しかし今回の兄の酒への志向は、
これまでのそう状態でのそれとは違い、
比較的落ち着いていること、きちんと話し合えば通じそうだということ
そんなことに結論は行き
結局私が兄に話をすることになる。

しかし兄がいつ帰ってくるか分からないので、
兄が帰ってきたら目にすることができるようなところに、
プリンターの失敗の用紙を使って、マジックで6枚ほどの手紙を書く。
兄が酒びたりになることを心配していること、
生活保護の件もあり、できるだけ早く岐阜に帰って
たとえ短くてもそこで生活する時間を作ったほうがいいこと、
兄は主治医から、岐阜の精神障害者の集まりのことなど聞いており、
そこに出かけてもいいとも言っていたことから、行ってみたらということ
兄のような困難な状況、障害の体験を持っている人
それで今も苦しんでいる人は多くいて
兄が自分のそういう状況から回復すれば、
それはそういう人たちの励ましになり
そういう状況に苦しんでいる人たちに対する深い理解を持ち
そういう人たちの回復の力になることもできる。
諦めないでほしい。
兄の頃からの人生を価値ある
意味のある人生にすることを

兄は
困難な人生を歩んできた野の花社のみんなの大切な仲間だ

そんなことを書いた。
書き終わったら、兄に対する暖かい気持ちが湧いてきて
もう夜も遅いから、
隣町までいって兄を車に乗せて帰ってこようと思い
妹にその旨告げて、車を走らせた。
そして隣町の飲み屋などのある一角に近づいたとき
丁度タクシイが近づいてきて、私の前で止まった。
で、多分兄が呼んだのだろうと感じ、
その旨告げて、私の兄だといい、
どこからかかってきたのか聞くと、そこだとさした指の方から
兄がドアを開けて出てきた。
まったくぴったりのタイミングだった。

迎えに来た旨兄にいい、
兄はうなづいてタクシイを断わり
私の車にのってきた。
野の花社に帰る車の中で
上記の手紙に書いたようなことを兄に話すと、
兄もうなづきつつ聞いてくれた。
すべてが丁度良いタイミングで起こったような
不思議な時間だった。

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