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いつか会えるよね (5)

2009年06月13日 22:38

「え?うそ」
「なんでそうなるの?」
「どうしよう。どうすればいいの?わからない…」

そんな感じだ。


falling downという言葉がある。
フォーリング・ダウン。

小石が坂道コロコロ転がっていく感じの時に使う。
さらに、自分の意志に関係なく、どんどん良くないことが起きることにも使う。

自分の運が坂道コロコロ転がって、落ちていく。
自分の意思とは関係なく、悪い方向へ進んで行ってしまう。


(前回の続き)
スポーツクラブでKさんは、女性インストラクターを食事に誘った。でも、断られ、スポーツクラブを退会することにした。


女性インストラクターを誘って、断られたあと、

3月にKさんが、
「俺、6月に辞めると思う」
と、その女性インストラクターに言った。
明らかに、そのインストラクターは、動揺していた。
悲しそうな顔をしていた。

「なんで、辞めるんですか?」
そのインストラクターは、訊いた。

Kさんは、「引っ越しもあるし。」
と答える。

「いつ、引っ越すんですか?」
そのインストラクターは、まだ、食いついていく。
辞めないで欲しい、そんな気持ちが、俺にも伝わってくる。

9月ごろだけど。俺、会員費を一括で払っていて、6月に更新なんだ。だから、そこで辞めようと思って。」

そのインストラクターは、すごく悲しい顔をしていた。
泣きそうな顔をしていた。

そのインストラクターは、言った。
「1か月ごとに会費を払うこともできるし、9月まで、いたらいいんじゃないですか?」

Kさんは、寂しそうに笑って、何も言わなかった。
そして、Kさんは、ジムを出て、ロッカーに行ってしまった。


その女性インストラクターは、顔を真っ赤にして、泣くのを我慢していた。
しばらくしたら、休憩時間になったので、ジムを出て、スタッフルームに行った。


その女性インストラクターは、休憩時間なので、コンビニへ行くために、スポーツクラブを出た。そうしたら、ばったりと、Kさんと会った。
Kさんは、ジムを出た後、シャワーを浴びて、着替えて帰るところだった。

Kさんを見て、その女性インストラクターは、
「あら、お疲れ様でした」
と言った。

Kさんも気づいて、
「休憩時間?」
と言った。

その女性インストラクターは、
「そうなんです。」

Kさんは、
「そうそう、言おうと思っていたんだけどね、
今までありがとう。本当に楽しかったよ。

あとね…。
○○さんのこと好きだったから、遊んだりしたかったなあ。
本当に、とっても好きだから…。」

と言った。
Kさんは、最後だと思って、自分の気持ちを伝えようとした。
でも、まさか、会うと思っていなかったので、うまく言えなかった。

気持ちは、伝わった。
十分に…。

正確にいえば、お互い、好きなのは、わかっていたのだ。


いろんな思いがこみ上げてきたのだろう。

その女性インストラクターは、顔を真っ赤にして、目には涙をためて、何も言わないで、頭をちょっと下げて、行ってしまった。

おそらく、何か言ったら、泣いてしまったのだと思う。

コンビニからスポーツクラブに戻ったら、
ずっと我慢していたのが、リミットになってしまった。
涙がでてきてしまった。
涙が一滴でたら、もう無理だ。

涙が、あふれ出てきて、止まらない感じ。
涙が、次から次へでてきて、自分では、どうしようもなかった。

ただ、悲しい。
本当に、Kさんは辞めてしまうんだ。。。
もう、会えないんだ…。

そのあとの業務は、何もできなかったそうだ。

当然、ほかのインストラクターが心配して、
「どうしたの?」
「何かあったの?」
と声をかけた。

でも、泣いているだけで、何も言わない。

インストラクターのうちの一人が、
「さっき外で、Kさんと話してたよ」
と言った。

他のインストラクターたちにとって、
Kさんは、問題のある会員だ。
泣いている女性インストラクターを、前にも困らせたことがある。迷惑なことをした、会員だ。

Kさんは、以前も、今回も、何も悪いことをしていないが、他のインストラクターからみれば、問題のある会員だ。


Kさんが、何かをしたらしい。
こんなに、泣いているのだ。ひどいことをしたのだろう。
Kさんが、暴力でもふるったのか?

さすがに、暴力まではしないだろう。
つかむことぐらいは、したのではないか?

その女性インストラクターが、泣いていて、何も言わなかったので、

Kさんが、外で、話しかけて、つかみかかった。

いつのまにか、そんな話になってしまった。


その女性インストラクターが泣いている間に、どんどん、事実と違う方向に話が進んで行ってしまった。

その女性インストラクターは、ほかの人たちが話しているのは聞こえるが、

悲しくて、涙が止まらくて、
話すことができない。

大好きなKさんが、どんどん悪い人になっていく。。。
Kさんは、「好き」と言ってくれただけなのに…。



自分の意思とは、関係なく、悪いほうに進んでしまう。
まるで、小石が坂を転がり落ちていく感じだ。

falling down

小石は、坂を転がり、どこに行くのかわからない。
でも、一度、転がり出すと、止まることはできない。

池に落ちるまで、
草むらに入って、わからなくなるまで、
転がり続ける…。

(長くなってしまったので、続きは次回書きます)

このデジログへのコメント

  • Diggy 2009年06月13日 23:15

    私には3度目のチャンスさえ失った様に感じました
    偶然会えて告白までしてくれたのに!

  • shinji 2009年06月15日 23:29

    > ハルカさん コメありがとうございます。切ないですよね。好きならすぐに付き合わないと、難しくなるのだと思います。

  • shinji 2009年06月15日 23:30

    > ゆりあさん コメありがとうございます。周りの人たちも、心配していたし、大変ですよね。

  • shinji 2009年06月15日 23:33

    > Diggyさん コメありがとうございます。3度めのチャンスですよね。大きなラストチャンスでした。でも、逃してしまったら終わりなんですよね。

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