- 名前
- shinji
- 性別
- ♂
- 年齢
- 51歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- スウィーツ大好きです。 フットサルなど、スポーツも好きです。 バーベキューとかキャン...
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いつか会えるよね (6)
2009年06月15日 23:28
あれ?
うーん、なんかおかしい。
何がおかしいんだ?
例えば、
映画を見ていると、その話に入り込んでいるので、そのまま、違和感なく見てしまう。
でも、あとで、考えると、なんかちょっとおかしくない?
あんなこと起きないよなあ。
そっかあ、映画なんだよな。フィクションなんだよな。
と思うときがある。
あとで、冷静になると、ちょっと違和感があるとき。
そういうときがあると思う。
(前回の続き)
その女性インストラクターが泣いたあと、会員の間でも、
「Kさんが、つかんだ」
「Kさんが、しつこく誘った」
いろんな噂が広まってしまった。
その女性インストラクターは、困ってしまった。
噂が広がっていく。
Kさんは、何もしていないのに…。
他のインストラクターに、Kさんは、何もしていない、と言っても、
「じゃあ、なんであんなに泣いていたの?Kさんのことを、かばう必要ないんだよ。」
と言われる。
その女性インストラクターは、どうにかしないといけない、と思い、
「Kさんは、私のことを好き、と言ったんです」
といった。
Kさんは、私を好きなんだから、つかんだりしない。
そう言いたかった。
そう伝えたかった。
ここまで、噂が広がってしまったのだ。
何か言えば、どんなことでも、火に油を注ぐのと同じだ。
噂は、
Kさんは、しつこく誘ったのに断られたので、
女性インストラクターに暴力をふるった。
だから、女性インストラクターは、泣いた。
そんな噂に発展してしまった。
Kさんは、他の女性インストラクターからも、軽蔑した目で見られるようになった。
暴力をふるった、最低の男…。
噂があまりにも、広まったので、とうとう、スポーツクラブの責任者(マネージャー)が、Kさんを会議室に呼び、話を聞くことになった。
Kさんは、何もしていないのに…。
マネージャーは、
「うちの○○インストラクターが、つかまれたと言って、泣いたんですが、事情を話していただけませんか?」
と言った。
Kさんは、
「○○インストラクターは、つかまれたと、言ってるんですか?」
と訊いた。
マネージャーは言った。
「Kさんにつかまれたと言っています。なんなら、警察に言ってもいいですよ」
Kさんは、
「そうですか。ご迷惑をおかけしました。つかんだつもりはありませんが、○○インストラクターがそう言っているのだったら、つかんだのでしょう。」
そう言うしかない。
つかんでないのだから…。
マネージャーは、言った。
「つかんでないなら、○○インストラクターが嘘を言っていることになりますが。私は、すべての話を聞いています。○○インストラクターをここに呼んで、話しますか?」
完全に、女性インストラクターに片思いをして、
つかみかかった、問題会員という扱い。
Kさんは、考えた。
自分がすべて悪いことにしよう。
これ以上、モメても、女性インストラクターが、いづらくなるだけだ。
自分が問題会員ということになって、そのまま辞めれば、女性インストラクターは、そのまま、ここに勤めていられる。
問題会員が女性インストラクターを困らせ、そして、辞めた。
それでいい。
その女性インストラクターへの、最後の思いやり。優しさ。
これで、本当の別れだ。
今まで、ありがとう。楽しかったよ。
Kさんは、マネージャーに言った。
「すみませんでした。誤解を招く行為をしたのは、事実です。」
マネージャーは、
「契約期間まで、いてもいいですが、○○インストラクターとは、話さないでください。」
Kさんは、
「わかりました。」
と言った。
マネージャーの中では、Kさんは、2回もその女性インストラクターを困らせた、最低の会員。
早く、辞めてほしい。
もう、こないでほしい。
これが本音だ。
次の日、Kさんが来た。
もう、こんなスポーツクラブに来るのは、嫌だと思うが、Kさんは来た。
軽蔑した目で見られるのは、わかっているのに、Kさんは来た。
Kさんは、仲の良かった人たちに、別れの挨拶をしたかったのだ。
非常に律儀な人だ。
Kさんは、本当に良い人だと思う。
Kさんは、仲の良かった人たち、みんなに挨拶をした。
さらに、仲の良かったインストラクターたちに、お菓子を渡して、「スタッフルームでみんなで食べて」と言って渡した。
今まで、トレーニング方法を教えてもらっていたお礼。
本当に良い人だと思う。
Kさんは、俺のところに最初に来て、そのあと、他の人に挨拶をしていった。
受付の人にまで、挨拶をして、そのまま帰ってしまった。
だから、電話番号もメルアドも聞けなかった。
俺は、Kさんと会ったのは、それが最後だった。。。
でも、その女性インストラクターは、一週間後、たまたま、Kさんに会った。
Kさんが、ロッカーに忘れ物をしたので、とりにきたそうだ。
その女性インストラクターは、俺に言った。
「こんにちは、て言ったのに、無視されちゃった。もう、完全に嫌われたよね」
悲しそうにしている。
無視ではなく、「話すな」と言われているのだ。
話すわけない…。
Kさんが退会した後も、
その女性インストラクターは、いつもジムの入り口を気にしていた。
「Kさんが、また、笑って入ってくるような気がするのよ」
と俺に言った。
もう来ないとわかっているのに、Kさんが、笑いながらジムに入ってくるのを待つ。。。
いつか会えると思って…。
Kさんが、いなくなってから、俺もつまらなくなってきた。
スポーツクラブに行く回数も減った。
しかし、Kさんがいなくなって、落ち着いてきたら、
俺としては、なんか、釈然としないものがでてきた。
この話は、なんかおかしくないか?
その女性インストラクターがKさんにとってきた行動は、24歳の女性がとる行動か?
24年も生きてきたんだ。
いろんな恋愛もしてきただろう。
普通より、かわいいんだ。
告白もされてきただろう。
なのに、なぜ、あんな行動をとる?
Kさんに告白されているのも気づいていただろう。
「誘い」を断れば、Kさんに会えないこともわかっていただろう。
だいたい、24歳のインストラクターが、なぜ、こんなに泣く?
この女性インストラクターが泣きやすい女性だ、というだけなのか?
何か違和感がある。
何か理由があるような気がする…。
例えば、数学の問題だったら、
答えがわかれば、
あ、そうなのか。
と思う。
恋愛の場合だと、答えがわかっても、理由がわかっても、
うーん。
「…」
となる。
偶然だった。
その女性インストラクターと話していて、
え?と思った。
そんなことだったのか…。
Kさんは、被害者なのかもしれない。。。
そんな気がした。。。
(長くなるので、続きは次回書きます)
このデジログへのコメント
わたしも違和感感じてました…
なんかあまりにも…
でもKさんの汚名は晴らすべきだったと思います
続きを楽しみにしています~!!!
小説より読み進んじゃうお話でした。
kさんは強い人ですね。
> Diggyさん コメありがとうございます。Kさんがかわいそうでした。最後まで、その女性インストラクターのことを考えていたのは、すごいな、と思いました。
> ハルカさん コメありがとうございます。同僚には、ちゃんと説明するべきですよね。つかまれていない、てことを。
> モモさん コメありがとうございます。Kさんは、強くて優しくて、礼儀正しい、良い人でした。あんな噂がたったのは、かわいそうでした。
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