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いつか会えるよね (4)

2009年06月07日 23:33

今日は、蒸し暑かった
梅雨は湿度が高いので、蒸し暑い。汗でジトジトする。


ハリウッドスターのシルベスタースタローンは、売れない時期が長かったそうだ。
オーディションに何回も落ち、極貧のなかで、夢を捨てずに、ずっと努力し続けた。

そして、スタローンは脚本・主演の「ロッキー」が大ヒット。
ハリウッドスターになった。

どんなに、つらくても、自分を信じて、ひたすら努力する。
どんなに時間が経っても諦めない。

映画になって、ヒットする時。
その時を信じて、ひたすら努力して、待つ。

夢を実現するということは、そういうことだと思う。
努力して待つ。


しかし、恋愛の場合は、どうなのだろう。
努力して、待てるのか?

待つことはできても、努力をできないのではないか?



(前回の続き)
スポーツクラブで、Kさんと知り合い、一緒にトレーニングをしていた。女性インストラクターを食事に誘ったことで、Kさんは、女性インストラクターと私的なことを話さないようにと、注意された。



Kさんと、その女性インストラクターは、だんだんと話すようになり、だいぶ、元に戻った。

狂っていた歯車が、だんだんと噛み合ってきた感じ。

ここで、うまく発展できれば、うまくいく。
俺は、そう思っていた。

でも、他のインストラクター達は、Kさんとその女性インストラクターが話すと、気にしている。

視線の端でいつも、Kさんを、とらえている感じだ。


Kさんとしては、あまり気分が良くない。
なんとなく、危険人物として、マークされている気分だ。


決断は重要だと思う。


Kさんは、俺に言った。
「食事にもう一度、誘ってみるよ」

この意味は、危険人物と思われている気がするので、このスポーツクラブにいるのは、ちょっと無理そうだ。

だから、
「退会するよ」
という意味。

さらに、その女性インストラクターが「誘い」を断ったら、もう、会うことはない、という意味だ。

別れ…。
一生の別れ…。
2度と会うことはない別れ…。


俺は、言った。
「そっかあ。じゃあ、3人で話してるときに、誘ったらいいと思うよ」

Kさんとその女性インストラクターが2人で話している時は、周りのインストラクターが警戒するので、俺もいれて、3人で話している時に、誘った方がいい。


俺は、Kさんの決断は正しいと思った。
このまま、ダラダラと2人の中途半端な関係を続けていてもしょうがない。


日曜日の夜。
スポーツクラブは、日曜日の夜は空いている。

俺がトレーニングをしていると、Kさんがジムに入ってきた。
その女性インストラクターは、Kさんを見ると、嬉しそうに笑い、すぐにKさんのところに行き、挨拶をして、短く話した。

Kさんは、俺のところに来て、トレーニングを一緒に始めた。

俺達がトレーニングをしていると、その女性インストラクターニコニコ微笑みながら、近づいて来た。

一歩一歩。俺には、なぜか、スローモーションに見える。

俺のほうが、ドキドキする。緊張する。
俺は、第三者で関係ないのだが、心臓バクバクだ。


Kさんにとって、その女性インストラクターにとって、すべてが決まる瞬間。

その女性インストラクターは、俺達に言った。
「お疲れ様です。」

俺は、
「日曜日の夜だから、ジムは空いてるね」
と言った。

女性インストラクターは、
「そうなんですよね。明日、みなさんお仕事ですからね」

Kさんが、
「空いてた方が、トレーニングしやすくていいよ」
と言った。

なんか、ホッとした。いきなり、誘うかと思った…。

女性インストラクターは、
「空いてる方が、トレーニングを自分のペースでできて、いいですよね」
と言った。

「…」

ちょっとの間が空いただけでも、俺が緊張する。

この2人が、どうなるのかが、決まるのだ。

2年間、いろんなことを話した。
お互いの血液型誕生日、趣味、みんな知っているのだ。

2年間のことが、やはり、頭をよぎる。
Kさんも同じらしい。

ちょっと寂しそうな感じがする。
どっちにしても、退会するのだ。。。


俺は、
「最近、ディズニーランド行った?」
と訊いた。

この女性インストラクターは、ディズニーランドが好きで、よく行く。

女性インストラクターは、
「先週、早番の日に、行ったんです。早番だと、夜間チケットの午後6時に間に合うんです」
と言った。

俺は、
「そうなんだ。」
と言った。

Kさんが、
「じゃあさあ、今度、早番の日に食事にでも行かない?ディズニーランドでもいいし。休みの日でもいいけど」

と言った。

運命の瞬間だ…。

俺は、その女性インストラクターを見た。

顔は、みるみる赤くなり、嬉しそうな顔をしていた。
そして、
「ええ?」
と言った。

さらに、
「どうしようかなあ?でも、最近、忙しいし。」
と言って、Kさんを見た。

Kさんは、すべてが決まるのがわかっているので、
何も言えない。

「良いよ」と言ってくれれば、これからも会える。
「ごめんなさい」と言われれば、お別れだ。

すべてが決まる。

その女性インストラクターは、言った。
「今は、忙しいから、また今度ね。」

忙しいから…。
また今度ね…。

すべてが、決まった瞬間。

俺も、このときのことは、未だに鮮明に覚えている。
忘れることはできない。

誘うことを禁止されている、Kさんが誘ったのだ。
また今度は、ない。。。


Kさんは、言った。
「忙しいよね。体調には、気をつけてね。」

すべてが終わった。
2年間のことは、思い出になった。


そして、この女性インストラクターが、待っていても、会えなくなったとき…。

どんなに自分を信じて待っていても、会えなくなる。
それが、恋愛なのだと思う。

売れない俳優ハリウッドスターになる夢を実現するのと違うところ。
スタローンが諦めずに努力して、成功したのと違うところ。


でも、まだ、偶然があるかもしれない。
これだけだったら…。

俺とだって、6年後にばったり会ったではないか…。

これだけだったら…。


なんで、あんなことになったのか…。
Kさんと女性インストラクターは、偶然に会っても、もう話せないだろう。。。

どうしようもなかったのだ。
俺だって、あんな展開になるなんて、思ってなかった…。

俺が、Kさんと、アドレス交換も電話番号の交換もできなかったのは、あんなことが起こったから…。


(長くなってしまったので、続きは次回書きます)

このデジログへのコメント

  • Diggy 2009年06月08日 00:25

    事態の重さが理解出来なかったのかな
    危険人物扱いされてるKさんの立場になっとみると解る事なのに…

  • YUKI 2009年06月08日 01:23

    どうなるんでしょう?
    続きは…なんだか…きになる…

  • ☆あゅたん☆ 2009年06月08日 20:36

    続き…楽しみにしてマス☆o(^-^)o
    コメありがとデス(*^-')v

  • shinji 2009年06月13日 22:39

    > Diggyさん コメありがとうございます。一歩踏み出すのを、一度、躊躇してしまうと、なかなか、難しいのかもしれないです。

  • shinji 2009年06月13日 22:40

    > ゆりあさん コメありがとうございます。もっと、好きなら積極的にならないと、モヤモヤしますよね。

  • shinji 2009年06月13日 22:42

    > YUKIさん コメありがとうございます。2回もチャンスを逃すと、どんどん悪い方向に進んでいくんですよね。

  • shinji 2009年06月13日 22:43

    > ☆あゅたん☆さん コメありがとうございます。続き、楽しみにしてください。なかなか、時間がなくて書けないけど、更新していきますので、よろしくお願いします。

  • shinji 2009年06月13日 22:43

    > ハルカさん コメありがとうございます。ハッピーエンドではないから、空気が重くなりますよね。。。

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