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いつか会えるよね (2)

2009年05月28日 23:44

今日は、雨だった。
朝、ずいぶん、雨の音がしていた。
昼間、小降りになったけど、また、夜になったら強く降ってきた。雨が強くなったり、弱くなったり。

悲しさというのも、悲しさが少し薄れてきても、また、悲しくなったりする。
波のように、少し引いて、また、戻ってきて。その繰り返し。

そんな感じだと思う。



「泣く、というのは、どうしようもなくなったときに、するものなんです。」

心理学の授業で教授が言った。

嬉しい時。あまりの嬉しさに、どうしようもなくなる。そうすると、涙がでるそうだ。

悲しい時。あまりの悲しさに、どうしようもなくなる。そうすると、涙がでるそうだ。

それ以上、何もできなくなると、涙が出てくるらしい。



(前回の続き)
俺は、スポーツクラブでKさんと、22歳の女性インストラクターと、よく話していた。


Kさんに一週間会わないときがあった。

そのインストラクターは、俺に、
「Kさんはどうしたんですか?」
と聞いてきた。心配そうな顔をしていた。


俺は、
「何も聞いてないけど、どうしたんだろうね」
と答えた。
俺も、どうしたのか、知らなかった。

2週間後、俺がトレーニングをしていたら、ジムにKさんが入ってきた。
そのインストラクターは、Kさんを見たとき、すごく嬉しそうな顔をして、すぐに、Kさんのところに行った。

楽しそうに話していた。


Kさんは、俺のところに来て、
インフルエンザになって、ぶっ倒れてた」
と言って、笑っていた。

俺は、
「もう治ったんですか?」
と言ったら、

「治ったし、もう元気だよ。休んだ分、取り戻さないとね。」
とKさんは言っていた。


Kさんは、東大を出て、大手企業の経理部にいた。
真面目で、優秀な人だ。

トレーニングの内容は、すべてノートに書いている。
一日3回、心拍数、血圧も記録している。

そこまでしなくても、と不真面目な俺は思ってしまうが…。


Kさんは、その女性インストラクターを何回か食事に誘った。
インストラクターのお誕生日クリスマスなど、
何かあると、一応、誘ってみた。

「○○日は、お誕生日なんでしょ?食事でもいかない?」
とKさんが言うと、

インストラクターは、
「でも、誕生日シフトが入ってるんです」
と答えた。

Kさんは、
「そっかあ、じゃあ、しょうがないね。もし行けるようになったら、言ってよ。たまには、食事でも御馳走するよ」
と言った。

こんな感じで、話しているときに、ちょっと誘う感じ。
だから、無理に誘ってるわけではないし、
インストラクターも、嫌がっていなかった。


ところが、女性インストラクターは言ってしまった。
何も考えずに…。


他のインストラクターに、
「Kさんが、何回も誘ってくるんですよ」
と言ってしまった。

普通の会社だったら、問題にならない。
普通のお店だったら、問題にならない。

ところが、スポーツクラブには、インストラクターストーカーになる会員がいる。
ストーカーの問題は、どこのスポーツクラブでも、よくある話だ。
どこの、スポーツクラブでも、ストーカーの問題には、神経質になっている。


他のインストラクターたちは、
「Kさんが、何回も誘ってくるんですよ」
という言葉で、
その女性インストラクターが困っているのだと思ってしまった。

何回も誘ってくる = 迷惑 = ストーカーになる

と考えてしまった。


Kさんは、今まで問題も起こしていないし、他のインストラクターとも仲が良い。退会にする必要はない。

でも、ストーカーになると困るので、注意をするしかない。
ということになったらしい。


Kさんは、ほかのインストラクターに、
「○○インストラクターとあまり話さないで、もらえますか?」
と言われた。
その女性インストラクターと、もう話さないでくれ、という意味た。

Kさんも、トラブルを起こす気はないので、
「わかりました」
と答えた。

しかし、このことは、その女性インストラクターには、一切、知らされていなかった。
その女性インストラクターは、Kさんが注意されたことを、知らなかった。


それ以降、Kさんは、そのインストラクターを避けた。
俺と話していても、そのインストラクターが来ると、Kさんは行ってしまった。

そのインストラクターは、いつも遠くから、悲しそうな目をして、Kさんを見ていた。

ある日から、突然、
完全に避けられる。
話しかけても、短い返事で、すぐに行ってしまう。

この前までは、いろいろ話していたのに…。


とうとう、そのインストラクターは耐えきれなくなったらしい。

金曜日の夜だった。。。

そのインストラクターは、俺に言った。
「もう、Kさんとは、話せないのかなあ。嫌われたのかなあ」
顔を真っ赤にして、ほとんど泣きそうな顔をしていた。

俺は、言うべきか、言わないべきか、考えてしまった。
他のインストラクターたちも、Kさんがストーカーにならないように、未然に防ぐために、注意をしただけだ。

Kさんも、注意を守っているだけ。

誰も悪くない…。


でも、やっぱりかわいそうだ。
言うしかないか…。

「Kさんが食事に誘ったのを、ほかの人たちに言ったでしょ。それで、もう、話さないでほしい、て○○インストラクターに言われたんだよ」
と俺は言った。

「え!」
と俺の目をじっと見て、止まった。
次に、目に涙が浮かんできた。
泣きたいのを、必死にこらえている。

無理だったようだ。
そのまま、トイレに行ってしまった。


次の日、俺は心配だから、スポーツクラブに、行った。
そのインストラクターが、いた。

誰が見てもわかる。
夜、ずっと泣いていたのが…。

目の周りは、ボーっと腫れている。
目は、真っ赤だ。

夜、ずっと、涙が止まらなかったのだと思う。

自分の不用意な一言で…。
何をしているんだろう…。


このことだけだったら、
大したことはない。
6年間も待つことではない。

そのうち、どうにかなる。
まだ、Kさんは、退会していない。

そのうち、誤解も解ける。

でも、
取り返しのつかないことを、さらに言ってしまったら?
取り返しのつかないことになってしまったら?



「泣く、というのは、どうしようもなくなったときに、するものなんです。」

そうだと思う。

でも、こうも言っていた。
「人間は、泣けるからいいんです。どうしようもなくなっても、泣くということができるから。」


(長くなってしまったので、続きは次回書きます)

このデジログへのコメント

  • Diggy 2009年05月29日 00:15

    なんか噛み合ってない気が…
    モヤモヤしちゃいます
    (>_<)

  • 琴乃♪ 2009年05月30日 22:16

    私も 涙に何度救ゎれた事か…(*´`*)

  • shinji 2009年05月31日 23:21

    > ゆりあさん コメありがとうございます。スポーツクラブは、変な人も来るので、神経質になるんですよね。

  • shinji 2009年05月31日 23:22

    > Diggyさん コメありがとうございます。考えてること、思ってることが、うまくかみ合わないと、良くない方向に行ってしまうことがありますよね。

  • shinji 2009年05月31日 23:23

    > 琴乃♪さん コメありがとうございます。そんなに辛いことがあったんですか???涙を流すとスッキリするときもありますよね。

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