カーネーション

昨日から降っていた雨が、漸く止みました。

雨は苦手です。
湿度が高く、気圧が低いと、肩こりは悪化するし、気分も落ち込むからです。

雨の音をずっと聞いていると、頭の先から足の先までが、どんどん水浸しになっていくような気がします。
その雨水が、憂鬱さに姿を変えて、脳細胞一つ一つの隙間に侵入してきます。

最近は特に、精神的に不安定なので、雨の中を歩くだけで最悪な心境です。

傘が重い、肩が重い、気分が重い、足取りが重い。

普段は自転車で行く道のりを徒歩で行かなければならないので、速度が遅く感じられて、余計にそう思うんです。

この前の雨の日、コンビニに行った時もそうでした。

空から降る雨が無数の線に見え、その線の一本一本が糸になって、私の全身を地面に縫い付けているようで、体中が思うように動きませんでした。

地面を這いずるような足取りで、何とかコンビニ到着すると、
店内には、母の日のギフトの広告が貼ってありました。
前もって注文しておくと、母の日当日に、カーネーションの花束が届くやつです。

私、自分の母に、いつかこのカーネーションを送るのが夢なんですよ。

「別に、今送ればいいじゃん。」と思うかもしれませんが、
今の私は、無職で、両親の仕送りで生活しているので、もし、カーネーションを送ったとしても、母が自分のお金で買ったのと同じことになってしまうんです。

だから、いつか、生活費を完全に自分で稼げるようになったら、本当の自分のお金で、母にカーネーションを送りたい。

でも、一体、いつになるんだろう。

ただ、歩くだけでこんなに全身が重いのに、働いてお金を稼ぐなんて、すごく無茶なことのように思える。

深海の底に沈んだ体を夜空の星の高さまで持ち上げるぐらいの気の遠さを覚えました。

コンビニからの帰り道、そんなことを考えていたら、道を歩いている最中にも関わらず、突然涙がこぼれてきました。

これはまずい。
私が泣くに至ったのには、確かに理由があるんですけど、
周りの人から見ると、いい大人が何の前触れも無く、突然泣き出したようにしか見えません。
かなり不信人物です。

辺りにいる人全員に、「いや、だから、カーネーションがね…」と説明したい気分になりましたが、余計怪しさが増すだけだと思ったので、止めました。

もしくは、傘をかなぐり捨てて、「あれ～、雨が目に入ったみたいだ～。」と叫んで、言い訳しながら爆走しようかとも思いましたが、これは、もっと怪しいので、やっぱり止めました。

私が泣いたのは、単にカーネーションを送るのが遠すぎる目標だからだけじゃありません。

最近、両親のことを考えるだけで泣けるんです。

両親の少ない給料から私の生活費を捻出するのは、本当に大変だと思う。

純粋に経済面だけを考えるなら、私は、この世にいないほうが良い。

にも拘らず、両親は、私が生きることを望んで、こうして仕送りをしてくれる。

この事実の重さについて、私はもっと考えなければいけないと思うんです。

両親がどれほど私のことを想ってくれているのか、
それが、どんなに嬉しいことなのか。

私、「必要のない人間なんていない。」とか、「生きることには意味がある。」とか、そういう言葉は全部嘘だと思うし、大嫌いなんだけれど、
少なくとも、私を必要としてくれる両親の想いだけは、信じることが出来ます。
何しろ、現実問題として、とんでもない金額を私に使っているわけだし。

それだけだと寂しいと思うかもしれないけれど、少なくとも私は、他に何もいらないし、信じない。

だから、いつか母にカーネーションを贈りたい。
私にとっての、母の日ギフトは、村上春樹風に言うなら、正に、中産階級的な幸せの象徴なんですよ。
あ、もちろん、父のことも忘れちゃいけないな(笑)

それまで私にできることは、両親のお金を食いつぶしても、無職で、社会にとって全く必要の無い存在でも、
とにかく生きること。
死んだ方がマシなぐらい迷惑な生き方でも、とにかく生きること。

辛いなぁ。


★

児玉さん
私もよくそういう失敗します。
私がボーっとしすぎなのかと思っていたけど、他にもそういう人がいて良かった(笑)
ちなみに、私は、炊飯器の中のご飯をすっかり忘れていたことがあるんですが、
一週間後ぐらいに見たらとんでもないことになってました。
あんなにカラフルなご飯を見たことは、後にも先にもありません。


ターボさん
いや、でもターボさんは、高校を出てちゃんと就職を見つけているし、私から見ると、すごくしっかりしているように見えますよ。
自動車免許の本検、頑張ってください。


jb65さん
へー、海賊盤にも、シリーズってあるんですね。知りませんでした。
そして、“ゆっくり溶ける”が、漠然としすぎていて、非常に分かりにくい！(笑)
取り敢えず、「溶ける」を英訳して、一日中「メルト、メルト」とつぶやいていたら、突然頭の中に、ジョージのあの独特の発音で、「slowly melting」と聞こえてきました。
正に、太陽の光がが差し込んだような気分です。


はるさん
せっかくのアドバイスですが、もう、ハンバーグは無くなったので、ご心配なく。
自分では、絶対に買いませんし(笑)
でも、レンジって、使いこなせれば、何かと調理時間を短縮できて便利ですよね。
今度研究してみます。