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旅芸人の記録 テオ・アンゲロプロス

2009年01月04日 01:19

2009年1月3日早稲田松竹で観ました。

1979年のギリシャ映画です。昭和54年キネ旬1位だそうです。

始めと最後のシーンは同じ、1952年の秋にエギオンというさびしい街に旅芸人一座が到着してところです。エギオンはギリシャ南部の町だそうです。

 ここから、この一家の回想がはじまります。まずは1952年の現在のエギオンの街の風景。大統領選挙を控えて、右翼選挙カーが通りすぎていきます。「パパゴス元帥投票せよ」と。このパパゴス元帥というのは、それまでも政権奪取・失脚を繰り返しているのですが、このときの選挙は念願の小選挙区制であり、左派を一掃することを願うアメリカの庇護下に政権に就くことになるのです。
 ここから舞台は、エギオンの1939年に飛びます。メタクサ将軍極右独裁体制(ここでもパパゴス元帥は大活躍するのですが)の開始から、イタリア軍の侵攻(ここでパパゴスイタリア軍からの防衛に活躍します)、42年のナチス独軍占領、44年の国民統一戦線の勝利、戦後ゲリラ下部組織の掃討から共産派弾圧、52年のパパゴス元帥軍事政権の誕生と移り変わり、それに合わせるように一座(一家)の中でも対独協力者が出たり、ゲリラに加わるものが出たり、男女の関係が入り混じったりするわけです。戦後は対独に代わって、アメリカ軍に寄り添う家族もあらわれます。
 そんな中、ゲリラ活動をして逮捕され軍事監獄に収容されていた長女エレクトラの弟は死刑となり、一家だけの埋葬となるのですが、一家は埋葬を拍手で送り出すのです。
 全部で243分という長い長い映画です。昔、ソニーが深夜にやっていた、カットなし、CMなしの映画番組で録画(ベータに録画しました)したのですが、観よう見ようと思っていつも最初の頃に挫折していましたが、映画館というのはよくしたもので、強制力をもって見ること(見させられる)ことになります。
 でも、本当に充実した4時間でした

このデジログへのコメント

  • tarashi 2009年01月05日 01:36

    > ゆいさん
    あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。お互い、ぼちぼちとやっていきましょうね。

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