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story

2006年03月11日 01:30

―2年前のある冬の日の事―



高校生のM子は親友のHといつもの様に地元のカラオケ屋で過ごしていた。

部屋の電話が鳴った。

「10分前になります。延長の方はよろしいでしょうか?」

「はい、大丈夫です。」

1、2曲歌って帰ろうとしていたその時―

20代前半の男が入ってきた。

いわゆるナンパだ。

しばらくすると今度は20代後半の男性が入ってきた。

男性2人は同じ会社で働いていて、その日は新年会も兼ねて社員みんなで飲み会の後、カラオケに来たらしい。

またしばらくすると今度はその会社の社長が入ってきた。

だいぶ年齢も上で、気さくな感じの人だ。

「男ばかりで来ていて華もないし君達に無理な事をさせるとかじゃないから来てくれるだけでいいから」

M子とHの部屋に来る前に部屋代を払い終えてくれていたらしい。
ナンパ男はともかく、その社長部屋代も払ってくれたしとても何かするような人じゃないと思ったM子とHは、社長の頼みを受け入れ男ばかりの団体部屋に行く事にした。

社長から5千円貰った後部屋に入った。

そこには20人前後の男性がいてごく一般的な人、ちょっとオタクっぽい人、男前な人、チャラチャラした人、肥えていてお笑い系な面白そうな人と様々だった。

M子は目の前に座っていたRに一目惚れした。

RもM子が気に入ったようだった。

M子がトイレに行くと言って部屋を出ようとした時、Rが後から付いて出てきてくれないかなぁと期待しながら行った。

トイレを済ませドアを開けると側にはRが待っていた。

M子は表には出さなかったが内心とても嬉しかった。

とりあえずこの場だけの関係にはしたくなかったM子は連絡先を聞いた。

Rが携帯を取り出すと……

偶然M子とRは同じ会社の同じ機種の同色の携帯だった。

そんな事もありM子とRは盛り上がり、連絡先を交換した後みんなのいる部屋に戻っていった。

11時を過ぎた頃、カラオケを出た。

数名に見送られM子とHは二人で帰った。

Hは私がトイレで抜けている間にナンパ男に手を出されたらしい。
泣いていた。

M子は少し罪悪感を感じながらもRの事を考えると胸がいっぱいだった。

家に着き、しばらくするとRから電話が掛かってきた。

その日のお詫びと他愛もない話とまた連絡するという約束…

M子は翌日からRの連絡をじっと待っていた。



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