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ユリシーズの瞳

2008年10月09日 21:58

日比谷シャンテシネで観てきました。たっぷり3時間、疲れました。

主人公はギリシャ出身の映画監督で、彼はアメリカで活躍しているらしいのですが、ギリシャに帰ってきて、自分の映画の上映をします。
実は彼のギリシャへの帰国の目的はほかにも会って、幻の映画である、マナキス兄弟による未現像の3巻の映画を探すためでもあったのです。アルバニアに向かい、さらにマケドニアに行きマナキス兄弟の映画博物館に行きます。その博物館女性とスコピエに向かう列車で再び会い、彼らはブルガリアに向かいます。国境ではマナキス兄弟があったであろう尋問・死刑の執行のシーンが浮かび上がり、この主人公の監督がマナキス兄弟と一体化しているのです。さらにブカレストにつくと、今度はこの映画監督の一家のこれまでの歴史がものすごいスピードでよみがえります。コスタンザで博物館女性と別れ、コレクターが勝ったという巨大なレーニン像を載せたタンカー船にもぐりこみ、彼はベオグラードに入ります。ここで、パリで一緒に青春時代を過ごした、今は記者をやっている旧友に出会い、幻のフィルムが戦闘激しいサラエボにあるらしいことを知ります。
 たったひとり小舟でサラエボにつくと、夫を殺されて農夫と知り合い束の間の愛情につつまれます。
 サラエボで、フィルムを持っていたレヴィにとうとう出会い、彼の現像を手助けして、ついに・・・・。
 サラエボは濃霧につつまれ、激しい戦闘が一時的に休戦状態になります。ひとびとは外にでて、音楽や散歩をするのですが、レヴィの家族が川辺を散歩していると・・・。
 悲しみとともに映画監督は、幻のフィルム廃墟となった映画博物館スクリーンで見始めるのです。

 この映画は、近現代のバルカン半島の歴史を理解していないと何が何だかわからないと思います。また、これが「オデッセウス」(ホメロス)を下敷きにしていることを常に意識しなくてはなりません。(オデッセウスユリシーズ
 ユリシーズの瞳という原題は、ユリシーズのまなざしという意味なのです。3時間の映画に映画の歴史とバルカン半島の歴史をからめて描き切ってしまうという、大それた考え!!お勉強をしてでも見る価値はあると思います。

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