雨の日に。

年明け頃から、新しい仕事をすることになった。
いまはそのための準備期間ということになる。
少し遠くへ引越さなくてはならなくなったので、引越し資金を溜めなければならない。アルバイトの面接をして来た。

膝の悪い自分には座ってやれる仕事しか出来ないため、普通の求人誌を見ていても疎外感ばかりが湧いてきてしまい、いつも落込んでしまう。が、今回は偶然に新聞の求人チラシで、以前やっていた印刷関連のパソコンオペレーターの仕事を近くで募集していたので、そこに早速電話して面接を受けに行った。

面接はいつまで経っても相変わらず嫌なものだ。
が、今回はそう感じたのもはじめの内だけで、面接官のひとが良いひとだったせいか、終始和やかに話は進んで、そう嫌な印象は受けずに済んだ。

自分自身が以前やっていた仕事と近い仕事の募集だったので、感触としては良かったけど、はたして受かるかどうか…。

一週間から十日間で返事が貰えるそうだから、それまでの間はしばらく自由でいられる。

外は雨。
ずっと降り続いていて、外出もあまりしたくはない天気だ。
こういう日は部屋で本でも読んで過ごすのがいちばんだけれど、未現像のフィルムがごろごろとある内は、まだまだそうのんびりもしていられない。

雨で乾き難いのを承知で、フィルム現像を始めた。

気温がだいぶ低くなったせいで、水温も20℃を切った。ついこないだまで水温は27～28℃もあったことが嘘のようだ。
フィルム現像には水温20℃がいちばん適しているので、暑い夏場などは氷を用意しながらでないと現像は出来ず、たいへん手間が掛かる。
逆に冬などの寒い時期にはすぐに水温が下がってしまうために、湯せんをする要領で、つねに20℃に温度を保たなければならず、これまた手間が掛かる。
そう考えると今の時季がいちばん現像に向いているとも言えるので、本当はこの時季に集中して一気に仕事を片付けたいところなのだけれども、怠け癖がすぐに出てきて、ついついフィルムも貯まっていってしまうのです。。

今日は去年の夏に行った、信州美ケ原高原で撮ったフィルムが一本残っていたので現像してみた。
そこには放牧された牛や、夏雲が写っていた。
そういえばこんなのも撮ったな…、などと思い乍ら、出来上がったネガを袋に入れていく。
他には最近撮ったばかりの東急東横線車窓から流れる風景を撮ったフィルム。あと、渋谷ハチ公前の交差点で群集を撮ったもの。
それと、いつだったか、近所の空地で撮った雑草の写真のフィルム。。光の回り方がきれいで撮ったものだったが、ネガで見てもなかなかの出来映えだった。
ほんとうに最近、雑草ばかり撮っている気がする。。

......


雨の音がさっきからずっとしている。
明日もまた雨なのかな。

また自由な一日になりそうなので、また現像でもしていようと思う。あと、友達に久しぶりの手紙でも書くか。
こんな呑気な生活がずっと続けられたら、ほんとにいいものだな、なんて思う。

じつに呑気な考えだ。


......