夢。

久しぶりに夢をみた。

初めて見たときは肩に力が入り、どんどん垂直に急上昇した。
もうダメだと感じ、肩の力が抜けてきたら次は急降下を始めた。
地面が見える前に夢は覚めた。
恐怖というより、楽観的な驚怖。

何度も同じ夢を見るうちに浮上するコツを覚えてきた。肩に力を込めれば上昇し、抜いていけば下降するのだ。だが、上手くは操縦できない。それは夢の中だから。自分ではそんなに力を入れていないのに急上昇してしまい、どこだかわからない街を俯瞰する。

何度も何度も同じような夢を見続けた。もう操縦を誤ることもなく、落ちても大丈夫なくらいの高さで、ゆっくり前に進める。楽しい。

最後に見たときは、飛べることを自慢している自分がそこに居た。夢の中ではあまり評価されていなかった。

昨日見た夢は、今までのとはちょっと趣向がちがっていた。飛び方自体に変化はないのだが、見知らぬ学校で学生服を着た私が校内の廊下を浮遊している。急に場面が変わり、今度は自転車置き場で少しだけ浮いては地につく。それを何度も繰り返している。

夢はそこで覚めたのだが、違和感が残った。それは今までの夢とは違い、浮くことは出来るのだが、飛ぶことが出来ないのではないか？

少しさみしさが残る、楽しい夢でした。