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裸のランチ

2006年02月13日 23:19

裸のランチ

理性的な考えは殺せ それが俺の到達した結論だな』


肛門で話せる男の話

その男が 腹を上下に動かすと言葉が屁になって出てくるんだ

奇妙な音だったよ 籠っててスカスカしてて臭い匂いがプンプンと漂ってきそうな音だ

その男はこの珍しい腹話術カーニヴァルで披露して人気者になったんだ

その内尻は自分で勝手に喋るようになった

なんの打ち合わせもせず客の前に出ても男のアドリヴに尻は負けずにギャグでやりかえす

驚いたことにやがて内側にノコギリの様なギザギザな歯まで生えてきて物を食うようになった

男は最初はこいつはいけると思ったが 尻は付け上がり パンツを食いちぎって 口と同等の権利をよこせとわめき始めた

酒もガブガブ飲むし おまけに泣き上戸だから始末におえない

口と同じ様にキスしてくれとせがむんだ

昼も夜も引切り無しに喋り続け 男が「黙れ!」と叫ぶ声が街中に響く

殴りつけても 熱い蝋燭を突っ込んでも一向に黙ろうとはしない

挙句の果てに肛門は男に向かってこう言った

「黙るのは お前の方さ 俺は自分で喋れるし 食えるし クソも出来るんだ お前なんかもう必要ないんだよ」

翌朝男が目を覚ますと 蛙の卵の様な透明なゼリー状のものが口を覆っていた

男は慌ててそいつを取ったが ネバネバしたゼリーが手に引っ付いて そしてどんどん体中へと広がっていく

口を開こうとしても開けない

遂には頭全体がすっぽりと膜で覆われてしまった

ただし 肛門は物を見る事が出来ないから 目だけは残した

後は全部だ

神経系統に障害がおこり 組織が萎縮して脳の指揮系統が完全に機能を停止した

頭蓋骨の中に閉じ込められ 腐ってゆく。。。

しばらくは目玉の中で脳みそが苦しそうに音もなくうごめいているのが見えたが とうとう最後には目の光も消え 脳は死に絶えた

開いたままの目はまるで 跳び出した蟹の目玉の様に虚ろだった


裸のランチ」(1991年イギリスカナダ映画)
それはウィリアム・リー(ピーター・ウェラー)の妄想幻想と幻覚で構成されている最狂 最悪 最低。。。そして最高の物語


以下 声に出して読みましょー☆

時代錯誤的な品物を理解する商人達 

エトルリア語の悪戯書き 

まだ合成されていない麻薬の常習者 

第三次世界大戦中の闇商人 

超能力的感性を備えた税務署職員 

精神の整骨療法化 

ゲーム中に被害妄想チェスプレイヤーが指摘した反則を調査する係員 

精神分裂病気味の速記者によって書かれた 断片的な令状を手に持ち 凶悪な精神的暴力告発する執行官 

ナチスドイツ警察国家官僚共 

麻薬中毒におかされた患者の 研ぎ澄まされた鋭敏な細胞によって試されテストされた 単敏な幻覚とノスタルジアを 意思と引換えにしようとするブロウカー

半透明な琥珀色の夢の中に封じ込められた濃い液体によるアル中患者


意外にスラスラ読めないでしょー??
これがウィリアム・リーのアタマの中だ!!
これを読んで嫌悪感もしくは意味が解らず不快感を感じた方はここで退出してくださぁい!(笑)


1953年 ニューヨーク
害虫駆除員をしている落ちぶれ作家ウィリアム・リー

ある日、使用しているゴキブリ用の粉の減り具合が早すぎる事に気づく

妻ジョーン(ジュディ・デイビス)が麻薬として常用していた。。。

そして、ウィリアム麻薬捜査官に連行された

取調べ室で、捜査官が席を外している間、巨大な虫が現れ彼に話かける

巨大な虫はウィリアムボスだと名乗る
そして、ウィリアムスパイで、麻薬製造しているインターゾーン商会の回し者だという妻ジョーンを殺し、スパイ活動と報告書を提出せよと命じる

ウィリアムは巨大な虫を叩き潰し逃げ出す

麻薬中毒のジョーンの為に友人に紹介されたベンウェイ医師(ロイ・シャイダー)に中毒に効くというムカデの黒い粉を貰う

帰宅し、ウィリアムはいつもやっているウィリアム・テルごっこ(14世紀、息子の頭に林檎をのせ弓で見事林檎を打ち抜いたスイスの弓の名手)をするが、ウィリアムの弾がジョーンの額に命中してしまう。。。

殺人犯になったウィリアムにマグワンプと名乗る怪物が現れ、北アフリカにあるインターゾーンに行き、タイプライターを手に入れ、スパイ活動報告書を提出するように命じられる

彼はインターゾーンに逃亡とスパイ活動の為辿り着くが、そこは奇怪な人々がうごめく不思議な街だった。。。


アメリカ小説家ウィリアム・S・バロウズ原作の怪作を、デビッド・クローネンバーグ監督によっての映画化。。。

そして主演はピーター・ウェラー
この人「ロボコップ」の人だったんですねー!
裸のランチ」は何回も観ていますが「ロボコップ」の人だって最近気づきましたー

裸のランチ」自体、原作読んだ事ありませ~ん!
が、バロウズという作家は知っていましたー

国を転々と移り住み、色々な職業に就き、ドラッグ常習者として有名で、妻と多様に服用し、ウィリアム・テルごっこで妻を誤って殺してしまった人ですからぁ!

世の中人殺しについて書いた小説は多いけれど、実際ヒト殺してしまった作家って彼だけじゃないでしょうか。。。(苦笑)

ここまで読んでお気づきでしょー!
映画「裸のランチ」は原作者の半生がモデルなんですよん♪
バロウズ害虫駆除員もしていたそうです

実は劇中、ウィリアムが作成しているモノが「裸のランチ」なんですねー!

んで肝心の原作者バロウズは「裸のランチ」書いた事すら覚えていない。。。
劇中のウィリアムも報告書は作成しているけれど「裸のランチ」作成していることは記憶にない。。。

困ったもんで、麻薬中毒ウィリアムの視点で描き出されているから、正常な人々がこの作品を観るとてんでワケがワカラナイ。。。

そして意味も無い。。。

しかも虫、特にゴキブリ、怪物がわんさか出てきて気色悪い。。。

「美しさ」「愛」「平和」とは一切無縁な「毒」「悪」「狂気」に満ちた世界

多くの人が、一度観たら二度と近づかない作品

でも、この世界感が好きな人はたまにふっと観たくなる、側に置いておきたい最高の作品かと。。。

私は麻薬を服用した事はないからホントのとこは分らないけれど、常習者の心理や心境ってこんな感じなのかなぁって思います

服用した事がない私もウィリアム・リーの浮き沈みの激しい精神状態。。。
急に不安になったり、理由もないのに泣き出したり、妙にハイだったり、アタマが冴えたり。。。
これはなんとな~くワカルような気がするんですよ

なんかね、これは、観客が作品を選ぶんじゃなくて、作品が観客を選ぶ不思議なパワーを持っている気がして仕方がないんです

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