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グラインドハウス USAバージョン

2008年07月12日 13:39

7月11日早稲田松竹で観てきました。
一般には「デス・プルーフ」と「プラネット・テラー」の2本に分けて上映されていたのですが、8月に期間限定で、アメリカ版がTOHOシネマズ六本木ヒルズとTOHOシネマズ なんばの2館で公開されたそうです。アメリカ版とその他の国の版の違いは、アメリカ版ではB級映画を2,3本立てで上映する映画館グラインドハウスというのですが、これを狙って作ったので、まず予告映画のtrailer filmがあって、それから「プラネット・テラー」、次に予告映画のフィルムが3本あって、そして「デス・プルーフ」というように一気に3時間(191分)の上映となるのです。
 ですから、「デス・プルーフ」のみを見た、もしくは「プラネット・テラー」のみを見たっていう人は、タランティーノやロドリゲスの両監督が目指したものの面白さを見ることができなかったわけです。
 
 まず 「近日紹介の映画です」みたいな古臭い(しかもサイケ調)ショットの後に
「マチェーテ(Machete)」という架空の映画(実際に制作されるそうですが)の予告フィルムが流れます。だまされたメキシコ人の暗殺者が、兄の牧師と一緒に、自分を裏切った組織に復讐するみたいな内容のようです。殺戮シーンがやたらすごいです。監督はロバート・ロドリゲス、主演はダニー・トレホジェフフェイヒー、チーチ・マリンです。

 で、いよいよ「プラネット・テラー」が上映されます。とにかく、全編を通して、雑音とか映像への汚れがありますが、これはフィルムが傷んでいるという風にするために、わざとしているのです。監督はロバート・ロドリゲス、出演はローズ・マッゴーワン、ブルース・ウィリス、フレディ・ロドリゲス、そう、ブルース・ウィリスがおそらくヅラをつけて(薄いんですけどね)出ています。あらすじは、ある夜、田舎町のゴーゴーハウスの踊り子だったチェリーダーリンローズ・マッゴーワン)は、踊り子をやめてJ.T.(ジェフフェイヒー)がやっているバーベキューレストランにやって来ます。ちょうど、店には、元恋人解体屋レイ(フレディ・ロドリゲス)がいるのですが、再会した二人はレイの車(解体用?のごついの)で飛ばしていると、何か(人間なのですが、レイは鹿じゃないかと思います)に群がって食べている数人の人影を見ます。さらに、車が事故を起こしてしまうのですが、正体不明の人影にチェリーは足を切られ、持って逃げられてしまいます。運ばれた病院では、ゾンビのような人たちが多数運び込まれていて大騒動。実は、レイとチェリーが再会する少し前に、軍の部隊長マルドゥーン(ブルース・ウィリス)と生物化学科学者アビー(ナヴィーン・アンドリュース)があやしげな取引をしている最中に、アフガニスタン戦争時に開発された秘密生物兵器DC-2(コードネームが「プロジェクト・テラー」なので、プラネット・テラーなのです)のガスが噴き出してしまい、それが街に広がって、人々がゾンビになるのです。軍人たちは常にガスをかぐことでゾンビ化をまぬがれているのですが(なんだか意味不明ですよね)、その軍人の一人(クエンティン・タランティーノ)が捕まえたチェリーレイプしようとして逆に殺されてしまいます。とにかく、ゾンビとなった人々が、生存者を殺して裂いたり、逆にチェリーらの生存者チームが、ゾンビたちを殺戮したりと、エログロナンセンス山盛りです。
 しかし、失った足のかわりにマシンガン(なのにバズーカもついている)を右足に埋め込み、ゾンビを倒していくチェリーの姿は、ほんと、かっこいいですね。

 このあち、また映画広告があります。
 「ナチ親衛隊の狼女」(原題 Werewolf Women of the SS)ナチのSS(親衛隊)によって、世界征服武器として作りだされた狼女が逆に、世界征服をたくらむという内容みたいです。
監督は「ハロウィン」の監督のロブ・ゾンビです、出演ですが、ウド・キア、シビル・ダニング、シェリ・ムーンゾンビ、それにちょこっとですが、ニコラス・ケイジ(!)も出ていました。
 「Don't/ドント」(原題 Don't)「こんなことしていると怖い目に会いますよ」っていうのをいやというほどむせてくれるという映画(もちろん仮想の映画です)らしいです。監督はエドガー・ライトで、いま話題の「ホット・ファズ」の監督ですよ!出演はマシュー・マクファディン、ケイティ・メルアジェイソン・アイザックス
 ほんとに、しつこくて気持ち悪そうなのが次の「感謝祭」(原題 Thanksgiving)、なにしろ七面鳥のかわりに人がやかれてテーブルに載っていました。やたら首を切りまくる怪人はでてくるし?! 監督イーライ・ロスですが、あまりこの人は知りません。出演はジョーダン・ラッド、マイケル・ビーンジェフフェイヒー、ティム・ロビンスです。
 で、やっと「デス・プルーフ」です。
 この映画は、「プラネット・テラー」に比べてまともです。映画が始まってからずっと、テキサスの人気DJジャングルジュリアら、女性たちのくだらない話(車の中で、レストランの中で、飲み屋の中で)が続きます。すると、ドクロマークの車がどういうわけか同じ場所にあるのです。実はスタントマンマイクという顔に傷のある男(カート・ラッセルですよ!)が、狙っていたのです。何を?自動車事故女性を死に追いやることで性欲を見たいしているのです。彼の乗る車(シボレーノヴァ)は「耐死設計」つまり死なないように設計されていて、それがデズ・プルーフの原題なのです。この車で正面衝突をされた女性たちは全員死んだのに、スタントマンマイクは指に骨折をしたくらいです。
 その1年後、テネシー州レバノンで映画の撮影に参加していたスタントウーマンのゾーイや、その女友達は、売り出し中の70年代ダッジ・チャレンチャーの試乗に出かけます。この車は映画「バニシング・ポイント」に出ていたので有名なのです。ゾーイは疾走する車のボンネットに乗り、危険なスタントをするのですが、その車に、あのスタントマンマイクが襲いかかります。しかし、彼女らも車の操縦のプロです。とんでもないカーアクションがはじまりました。なんでも、ゾーイは「キル・ビル」でスタントをやってタランティーノの知遇を得たらしいです。
 うーん、満喫しました。みなさんもDVDを買うなら、別々ではなく「グラインドハウスBOX」で買う方がずっとお得ですよ。

このデジログへのコメント

  • BB 2008年07月12日 21:14

    USAバージョン、グラインドハウスの雰囲気が伝わってきて凄く好きですがラップダンスが無いのが惜しい!

  • tarashi 2008年07月13日 00:11

    BBさん。
    なにしろ、どっちの作品もreel(フィルムのリール)が紛失なんてあって、笑えましたね。

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