抜けないとき。

　締め切りぎりぎりのとき、私はお酒を飲みながら作業する癖がある。たいてい、日本酒。時々、カクテル。酒がなくなると、料理用の紹興酒だろうが、リキュールだろうが飲み干します。

　そして、本気で酔っ払った昨日の出来事。

　私は、酒を飲もうと流し台の下の扉を開けた。中には、もう、お酒がない！ピーンチ！

　けれど、「まだ、もらい物のリキュールがあったはずじゃ！」と心の中の酒天童子が叫ぶ。しかたなく、ごそごそ探す。

　すると、なんと、ほんとーーーに、奥の片隅から、「わいん」様がお出ましになられた。
　なぜか、コルクはぼろぼろ。

　そうだ。思い出した！このワイン、コルクがとれなくって、チャレンジしたものの、飲むことの出来なかった一品。
「今こそ、封印のとかれるときじゃぁぁ!」（BY酒天童子）

　というわけで、ワインオープナーを持って、再チャレンジ。けど、あかない！　ゴリゴリ入れても、引き抜けない！時間ナインだよ!早くあけねば！そう、主って、焦ればあせるほどワインコルクは引っこ抜けない。

　つい、手を滑らして怪我をしてしまった。
ちくしょう！今、私の彼氏が琴欧州だったら！！
　ていうか、ボビーと結婚してたら！
　「あかないから、割って。」って、たのめるきがするぅ（；；）

　とうとう、私はラジオペンチで、コルクをほじくり出すことにチャレンジした。少しずつコルクをむしる。そのとき、『ピンポーン』

　と、チャイムが。

　？と、思っていると、「お届けものです。」と、男性の声。そう、ネットで帽子かったんだった。

　玄関を開け、サインをし、お金を払い、帰ろうとするトコを呼び止めた。「あのう…」
　「すいません、わるいんですけれど、ワインコルク抜けますか？」
　「はぁ？？」
　「飲みたいんだけれど、あかなくって。」
　「あぁ、いいですよ。」

　ばんざい！私は、おいしくワインを飲むことが出来た。ありがとう！宅配便のおっちゃん！！
　あの、おっちゃんの、あきれた顔はわすれれない。