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【特高警察残酷物語】 特高警察官拝命

2026年03月01日 00:19

【特高警察残酷物語】 特高警察官拝命

昭和6年の初秋

前島 立夫26歳は 天王寺警察の取調室にいた


さきほどまで 留置場芋虫のょうに転がっていた

よれよれのズボンに半袖 髪はボサボサ 無精ヒゲとくれば その風体は浮浪者乞食

「だんな おれは何もしてないよ ちゃんと調べてくれよ」

「何もしてないだと? 相手は顎が外れて重傷だ」

居酒屋で飲んでたら 隣に女が座り 手を伸ばして尻を触ったら その女の男が因縁つけてきて

いきなり殴りかかってきたので一発かましただけだ! 正当防衛だ!

と言っても取調官は耳を貸さなかった



「身元引受人は?どうなんだ? 身寄りは?

「・・・・」



立夫が黙ってたら

「怪しい奴だ 調べが済むまで 拘留だ」と 椅子にふんぞり返って煙草をふかしているのだ

「頼む、正当防衛なんだよ 釈放してくれよ」

立夫は 女のヒモ稼業で 定職と言うものをもっていない 暇があれば 賭け将棋などでその日を明け暮れているようなもので

言うなれば社会の落ちこぼれだ。



「・・・・」

悠然と煙草をふかし窓の外を見ている取調官

立夫はそいつの横顔を見てるうちに腹が立ってきた、

「だんな、実は・・俺の兄貴大阪特高警察捜査課長なんだぜ・・電話してくれよ!」



「な、なんだって!それはほんとうか!? 特高の?」

そいつが、目をむいて飛び上がった 

前島 憲治というんだ、俺の兄貴だよ」



「わ、わかった!待っていてくれ」 と 血相変えて部屋を飛び出した。

間もなく戻ってきて 何と言ったか



前島さん あなたを釈放します 失礼しました!」

「はは そうかい・・」



さすが 泣く子も黙る特高だ・・手のひら返しには 思わず頬が緩む

兄貴に頼み 借りを作るのは立夫の意に染まなかったが ここはひとまずそれをするしかなかった

控室に案内されると 兄貴から電話がかかった



「あまり世話焼かせるなよ おふくろが心配してるぜ・・話があるから 迎えの車を用意するから府警本部に来てくれ」

威厳のある太い声だった 一年以上会ってないが こんな半グレの弟だが 妙に優しかった 



しばらくすると お迎えに参りました!と最敬礼警官が二人。

署の前には黒塗りの警察車両が待機・・ まるでVIPなみの取り扱いに立夫は苦笑いだ



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大阪府警本部はレンガ造りの見上げるようなでかいもので 階を分けて大阪憲兵隊本部も同居している。

階段を上がると特高警察フロアーを占めている



兄貴、話ってなんだ?」

「お前はちっとも変わらんな なんだ、その恰好は まるで乞食じゃねーか 」 立夫を一瞥しそれだ



「チェッ ご挨拶だな・・人を呼びつけておいてさ・・」

立夫 まあ聞け・・と相好を崩し優しい目になった



満州事変が起きてから特攻のアカ狩りが本格的になったんで 俺は今多忙の身なんだ 

お前に来てもらったのは 実は特高警察に入ってもらいたいんだ。」



「えっ?俺が特高にかい?」

世間のことなど どこ吹く風と自由気ままに やってきた立夫だ・・

「俺は女好き将棋を指す以外に能のない男なんだぜ 兄貴よ 気は確かか?」



この逆襲には憲治も苦笑いだ・・

「お前 このままでは 召集されるぞ・・そして支那大陸に送られだろう・・

現地の戦争拡大は必至の情勢と聞いている 兵隊はいくらでも必要なんだ特高に入れば兵役免除になるんだ・・」
ーーーーーーー
立夫は図体はでかいが打算と血の巡りは早い方だ  
今の時勢の流れを見れば いつまでも与太者している時ではないだろう
憲治からの誘いは まさに渡りに船・・これが本音だった 

憲治に向かって 決意の言葉を放つ

「わかった!兄貴 この話ありがたく受けるよ その代わりと言っちゃなんだけどさ ヒラは嫌だ 主任、いや係長にしてくれ 聞いたが役職だと銃を持たしてくれるらしいからな」
憲治は立夫の顔をまっすぐ見た

「おまえ・・言ってる意味はわかるだろうな? それだけ生半可ではできんぞ・・その覚悟があれば 俺の直轄にしてやる」
係長は無理としても あっさり主任という実践隊の長と 銃の携帯を約束した

ぶちあけ言えば 昨今の思想犯が急増し 多忙を極めているが 特高絶対数が追い付いていず 困っていたのだ 数だけ揃えばいいってもんでなし 度胸と機転の利く部下が欲しかったからだ。立夫ならその辺申し分がない。

このウラログへのコメント

  • マーク 2026年03月02日 12:14

    展開のテンポがちょうどよく、自然に物語に入れました。
    じわじわ人物像が立ち上がる感じがいいですね。

    私も裏と表で書いているので、とても勉強になります。

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