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孤独の淵から(8)

2022年12月05日 22:53

前回からの続き

大学2年の春、僕は知的障害のある子どもたちの会、ひまわり会のボランティアに初めて参加した。その日は、市の体育館子どもたちと2時間遊ぶというものだった。

僕が運動室に入ると、すでに子どもたちとボランティアは楽しそうな歓声をあげながら、ボールやマットなどで遊んでいた。
子どもたちは、年齢的にはみんな高校卒業している年齢だそうだが、大きなボールを投げっこしたり、マットで飛び跳ねたりと単純な動きで楽しそうに遊んでいる様子を見ると、本当に幼い子どものように思えた。

彼ら(女の子もいたがほとんどは男の子だった)は、こちらの話すことはある程度理解できるようだったが、基本的には自分から言葉を話すことはなかった。ただし、その子なりの独特な言葉を話すような子もいた。

僕は、先輩ボランティアの見よう見真似で、子どもたちと関わっていった。
彼らは、初体験の僕にも、素直に気持ちを表してくれて、楽しいことをすれば、喜んで、もっと楽しく遊びたいと求めてきた。
それにつれて僕もだんだんと楽しい気分になっていった。

そして、活動が終わる頃には、子どもたちともすっかり馴染み、適度に身体を動かしたこともあり、心身ともにポカポカととても温かい気持ちになっていった。

それから、僕は、月に1回のひまわり会でのボランティア活動を続けていった。

つづく

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