趣味は読書、無いものねだり

仕事が終わって、どこにも寄らず、真っ直ぐ帰った。
午後7時少し前に、家に着いた。
テレビを見ながら、夕食を食べ、入浴してまたテレビを見て、疲れたので少し目を閉じていたら眠ってしまい、目が覚めたら0時を回っている。
食器を洗い、明日の米を準備して、再び床に就いた。
飢えるわけでもなく、寒さに震えるわけでもない。
思うほど動けなかったり、幾つかの薬を飲んだりしているが、衰えは感じても不自由はない。
この部屋で映画を見たり、スマホで音楽を聴いたり、そして本を読んだり。
食べたいものを食べ、時には酒を飲み、休みには自由にする。
これで、何が不満なのだろうか。　
「上を見ればキリがない」などと言う。
しかし人は、下を見て安心したり、横を見て張り合ったり、上を見て羨んだりするものだろう。
高校入試の社会科の試験問題の答えに確か、資本主義の特徴に「拡大再生産」を選ぶ問題があった。
しかし、「拡大再生産」は机上の空論であり、現実には無理である。
不満はないが、何か物足りない、ふとそんなことを考えてしまった。