- 名前
- ケント☆
- 性別
- ♂
- 年齢
- 59歳
- 住所
- 神奈川
- 自己紹介
- 本気で愛し合える女性を求めてます いっぱい気持ちよくなってほしい♪ 自分がいくより相...
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《陽炎》5-2
2018年02月11日 19:04
僕は着替えを済ますと、女性の支度の時間を考えて30分後にフロントで、と告げて部屋に戻ろうとしたが、彼女は15分で…と言ってきたので、その時間に合わせる事にした
部屋に戻った僕は、たばこをくわえ、突然現れ僕を誘ってきた女性について考えようとしたが10分でそんな事を考えても無駄だと思い、財布とたばこをポケットにねじ込んで部屋をあとにした
フロントで部屋のキーを預けて、くわえたままのたばこに火をつけ、ロビーのソファーに座る
半分吸ったあたりで、彼女がフロントについたが、まだ10分も経っていない…
白いワンピースにフリルのついた白い帽子…
清楚な出で立ちだ
改めて彼女を見る…
ほとんどスッピンの状態だが、化粧なんて必要ないくらい…素顔の綺麗な女性だ…
僕はたばこの灰が落ちそうになるくらい彼女を見つめていたが、彼女がそれに気づいてこちらを見て微笑むのを見て慌ててたばこの火を消すしぐさで彼女を見つめていたのをごまかそうとした
彼女はクスリと笑い
「行きましょ?」
と、右手を差し出した
初対面でいきなり手を繋ごうというのか?
僕はあまりに唐突で一瞬躊躇したが、彼女の屈託のない笑顔と、差し出された右手を見て、ゆっくりと左手を出し、彼女の右手を優しく握った
まだ湯上がりから間もない彼女の手のぬくもりが伝わってくる…
久しぶりに繋ぐ…女性の手のぬくもり…
あたたかい…
妻との仲が険悪になって以来…ずっと求めていたあたたかさ…
それが今…僕の手の中に伝わってくる
僕の胸の奥で、何か忘れかけてたものが湧き上がってくるような…
そんな気がした…
彼女の手を握り立ち上がると彼女はにっこり寄り添ってきた…
すぎるくらいに積極的で僕自身戸惑いは隠せないが、今の僕にはそれがとても心地良く感じる…
しばらくの間、僕は彼女の笑顔を見つめ、彼女はそんな僕に笑顔を見せていた
そして、言葉を交わすわけでもなく、僕達は海岸に向けて歩きだした
初夏の日差しを遮る、木洩れ日の山道…
木々の青葉を揺らす穏やかなそよ風が、寄り添い歩く二人を優しい気持ちにさせる
出会ってからまだ1時間も経っていないのに…
この気持ちは、ただ寂しさを埋めてくれた…ただそれだけなのか?…
僕の中では、そんな事はどうでもよくなっている
今はこの女性に興味を持ち始めた自分に素直になろう
ただそう考えているだけだった
山道を抜けて、海岸線の舗道にでると暑い日差しを直接受ける
アスファルトが照り返し、もやのような陽炎が遠くの看板を、ゆらゆらと揺らしてる
彼女は帽子のひさしを上げ、空を見上げる
「綺麗な空…」
と彼女が呟く
真っ青な空に真っ白な入道雲が、夏を感じさせる
彼女は海岸に向かおうと僕の手を引く
相変わらず笑顔で僕をみつめる
砂浜に降り、波打ち際までいくと、彼女は僕の手を離して白いサンダルをはずし、裸足になって汀まで歩を進めた
白い波が素足の彼女を濡らしてゆく…
彼女はヒラヒラした帽子が飛ばないように押さえながら振り向いて
「おいでよ♪」
と、僕を笑顔で誘う
その笑顔につられ、僕もスニーカーを脱ぎ捨て、ジーンズを膝まで捲り上げ、彼女の傍に歩み寄る
海の匂いとともに、先ほどまで感じていた彼女の甘いコロンの香りが僕の鼻腔をくすぐる
いかにも“女”という感じの化粧の匂いは好きではないが、彼女のコロンは爽やさと甘さが相俟ってなんとも惹かれてしまう…
しばらく彼女と波打ち際際から海原を眺めていたが、徐々に潮が満ちてきて、彼女のワンピースの裾も僕のジーンズの裾も濡れるくらいまで波が来てしまっていた
彼女もそれに気がついたらしく
「あ…濡れちゃった…」とひとこと呟いたあと、前屈みにワンピースの裾をたくしあげたが、そのまま手を水に浸した…
なんとなく艶っぽい仕草に見とれていると、突然彼女は海水を“バシャッ”と僕にかけてきた
「ふふふっ」
と、イタズラな笑顔を見せてバシャバシャと僕に向けて水を跳ね上げる彼女…
いつの間にか僕より水浸しになって、薄い白のワンピースが彼女の肌に張り付いて、彼女のボディーラインを浮かびあがらせる
子供のようにはしゃぐ彼女につられ、いつしか僕も彼女に水をはじいていた…
夏休みにはまだ間がある平日の旅行地の海は…僕ら2人のプライベートビーチのように、彼女のはしゃぐ声と、僕の笑い声だけが、波音と共に響いてた…
彼女は手では負けてしまうと思ったのか、ワンピースすそを両手でたくしあげると、おもいっきり足で水を蹴り上げた…
まではよかったが、案の定バランスを崩し“バシャ~ン”とひっくり返ってしまった
帽子も服もびしょ濡れで座り込んでる彼女…
僕は手を差し伸べたが、彼女がおもいっきりその手を引っ張ったため、僕は彼女の上に乗りかかるように“バッシャン”と倒れ込んだ…
浅いところにいたとはいえ、膝までの深さがあったので、あわてて彼女を水の中から抱き起こした
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