趣味は読書、？

「ふるほん文庫やさんの奇跡」を読んだのは、17.8年前だろうか。
文庫本専門の古本屋を開いた男の手記で、開店までと、その後の移転結婚まで記されているが、その後、失敗したらしい。
数年前に、神保町を訪れた時は、まだ「東京堂書店」の一部にふるほん文庫やさんの出張出店のようなものがあり、少し、興味を持って棚を眺めたものだが、もう今はない。
少しネットで調べると、谷口雅男は失踪し、退職金をつぎ込んだ支援者は自殺したらしい。社員として雇った若者や、奥さんはどうしたのだろうか。
谷口は、古書店の店先で、「文庫本が毎日沢山売れればビルが建つよ」という古書店主の言葉に触発されて、文庫本専門の古本屋を作ろうと決意したらしいが、やはり世の中甘くはなかった。
もっと、地道な商売をすれば良かっただろうに。マスコミに取り上げられて、調子に乗ったのだろう。
文庫本専門の古本屋は、とても興味があったのに残念である。