【麻衣菜38】DQアベル伝説

略さないと「ドラゴンクエスト勇者アベル伝説」。平成初期にゲームのDQを基にした独自アニメである。
そして「伝説の打ち切り」として語られる作品である。
物語概要は勧善懲悪。前知識なしで楽しめる。

さて、伝説の最終回を見てみよう。
父の遺言を受け、再び立ち上がる主人公アベル。そこにちょっと強い雑魚エイが現れ、真っ二つにする。

と、突然老婆が現れ「今日の話はここまで。おやすみ」と本を閉じる。
しかし老婆の孫らしき男女が話の続きを急かす。

老婆は続きをはしょって聞かせ、物語を終わらせてしまう。

世界に平穏を取り戻したが登場人物の殆どが死んでしまうラストに孫達はますます眠れなくなる。
老婆はそれでも強く生きるように諭し、安心させ孫達を眠らせる。

ふと天井を見上げる老婆。そこには彼女が若い頃に使ったらしきアイテム。

老婆の正体はヒロインの老後とも言われている。

「打ち切り」だが、嫌なイメージを持たせず後味良く終わる名ラストだった。

物語の冒険談が老婆の実体験か創作かは明確な答えを示さなかったのも、単なる夢落ちより秀逸な余韻を与えたのだった。

ただ残念なのは補完すべきエピソードが第2期として製作・放送された事である。そのラストは「主要登場人物は誰も死なず」と変わっていた。つまり老婆が嘘をついたということになってしまったのだ。
その事により、DVDで「伝説の最終回」を見ることは不可能になってしまったのだ。

見れない故に伝説なのかもしれないが。