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サプライズ

2014年06月17日 08:17

普通に歩けてた人にとって、歩けなくなるという現実は

とってもつらい事



私も病気で、一時期歩けなかったから

よくわかります




さあ、聞き苦しいと思う方は

ここで日記を読むのをおやめください



また、亡くなった彼のことを書きますから





私自身、肌のきめ細かさと

脚のラインは、かなり自信があります

だから、ばい菌が入って赤黒くなった自分の足を見るのは

すごくつらい事でした


どれだけ踏ん張っても、足にちからが入らないし

ハイハイですら移動することも困難なほどだったので

腕も足も、擦れて変色してしまってるし

そんな状態だと、誰にも会いたくない

誰とも関わりたくないって、自然に思い始めて

外へ出かけたいって、まったく思わなくなる



病気の私は、毎日休みだし

彼は日中お仕事で、一人残された私は

何をするわけでもなく、食欲もなく

ボーッと一日を、寝て過ごすばかり



そんなんじゃいけないって、自分でもわかってるけど

とにかく誰にも会いたくない


そんな生活を、2週間ほどしたくらいのこと


動けない私は、食事も作らないし

お掃除もできないし、お風呂トイレも一人では無理

何にもしないままじゃ、心が腐っちゃうって彼は思ってくれたんでしょう



私に見せ付けることも無く、テーブルの横に

そっとファッション雑誌を置いて、ジーッと読み始めるんです




私はかなりの嫉妬さん


雑誌とはいえ、他の女性に目を奪われてほしくない


でも、今の自分は足も腕も汚いだけの女




しっかりと、私の対抗意識を燃やしてくれたんです


その情熱を忘れないうちに、彼の休みである次の日

「さあ、お買い物行くよ」
とだけ言って、車に抱っこして乗せてくれる彼


日用品や食料を買いに行くだけと思ってた私は

着替えもせず、パジャマのまま


「さあ、着いたよ」と連れて行かれたのは

大型のショッピングモール


汚い格好のままの私を、お姫様抱っこして

「まずは服」とだけ言い、可愛い服が並ぶお店へ



「俺がコーディネートするから、お前はリカちゃん人形の役ね」
とだけ言い、前から私が欲しがってた服をドレスアップ


「次は靴」の掛け声で、靴屋さんへお姫様抱っこで移動


普段は嬉しいお姫様抱っこでも、病気のときは恥ずかしい


そんなことを気にもせず、グイグイとお店まで歩く彼

すれ違う人の視線が、めちゃくちゃ刺さるっ



でも、すれ違う人の視線の先は私を向いてない

堂々とお姫様抱っこをする、彼のほうに向いている


それがわかったのは、すれ違ったあるカップルの、女性の言葉

「ねえ、あれくらい堂々としてみなよ。
手も繋がないじゃん」




堂々としてるから、カッコよくて

みんな私なんかじゃなく、彼を見るんだ


「オレ、お姫様抱っこしてるんだぜ」と言わんばかりの態度ではなく

「オレ、堂々としてるだろ?」という感じの態度でもなく

「そんなの当たり前だろ」という感じの、堂々たる態度


改めて彼に惚れ直した瞬間です



「次はバッグだな、ほれ行くぞ」と、移動した店では

ずっと頑張って貯金して、いつか買おうと決めていたバッグを

今まさに袋から取り出している瞬間の店員さん



見事にやられました




全部、最初からセッティング済なんですもん



お店にあらかじめ確認をとって

欲しがってた服、欲しがってた靴

欲しがってたバッグを、準備してもらってたという

なんとも男前な行動




たまたま私が当時欲しがってたものは

そこそこいいお値段だったので

(きっと、私なんかのために相当頑張ってくれたんだろうな
申し訳ないな・・・)

という気持ちで一杯



「次は下着な」と言うと、寄ったのは下着専門店


ここでも、雑誌に載ってた私の欲しがってた下着
ちゃんと準備済み


しかも、お着替えされるという
ある意味サプライズ付き(二人きりだったら、はずかしくないですけど
お店の更衣室着替えさせてもらうのは顔から火が出そうなほど恥ずかしい



「さて、場所変えるか」と、再び車に乗り込み

向かった先は、美容室


私がずっと「この髪型に次チェンジするんだ!!」
と言っていた雑誌をしっかり持っていて

「この髪型にしてください、カラーとか細かいのは本人の希望で」
とだけ伝え、外でタバコをふかす彼



「とっても素敵な彼ですね」と褒めてくださる店員さん


店員さん「昨日、閉店くらいのお時間にいらっしゃったんですよ。
(どうにか、明日予約できませんか?
明日、落ち込んでる彼女笑顔にしたいんです。)っておっしゃってましたよ。
よっぽど彼女さんに惚れてるんですね」




違うんです


めちゃくちゃ惚れてるのは、私なんです




これだけのことをしてくれる人に

惚れないわけがないんです



そうは言わなかった私ですが

全部、私を笑顔にしようとしてくれたことが嬉しくて

それで初めて、「病気を治そう」って決意した私です



ヘアカットヘアメイク

あわせてネイルメイクもしてもらって

完全コーディネートの私

夜にアパートに帰るまで

ずっと笑顔でした



そんな私を見て、優しく微笑んでくれた彼が

私は彼がいない今でも、大好きです


掲載元
http://www.mbok.jp/item/item_433764723.html

このウラログへのコメント

  • ブルー 2014年06月17日 12:02

    とても優しくて 素適な彼氏さんだったんだね

    またいつの日かそんな素敵な彼氏さんに巡り逢います様に

  • そーさん 2014年06月17日 21:08

    ども!ひと言だけ。自分も頑張ろうと思いました。自分が好きな人の笑顔を、取り戻せる力って凄いですから。

  • アイスマン会うのは県内のみ! 2014年06月17日 22:24

    彼氏、Good Job !!

  • koriki50 2014年06月17日 23:21

    神様のいじわるか、彼は運命を悟っていたのか
    そしてその彼に焼餅を焼く馬鹿な男
    美化されるだけの記憶だ

  • 2014年06月18日 00:45

    優しかったんだね~

  • junpei 2014年06月18日 22:37

    彼との素敵な思い出の数々・・・
    今目の前に居なくても、イチゴちゃんの心の中にはいつも居るんだね

  • 隼鷹 2014年06月20日 00:45

    素敵な彼ですね
    何一つ勝てる気がしません

    ログありがとう^^

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