- 名前
- ゆきんこ555
- 性別
- ♀
- 年齢
- 39歳
- 住所
- 大阪
- 自己紹介
- かなり感じやすいですww色々いじめられるの好き☆つまりMですね。 一回潮とか噴いてみ...
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ウチュウジン ~4~
2011年10月12日 20:37
「この前のデートで」
私は、グラスをコトリと置いた。
「なんか張り切ってるなって思ったら、
これだよ。
いきなりでビックリしちゃった」
「ふーん」
彼はゆらゆらとグラスを揺らしてた。
「で、何て返事したの?」
「OKした」
「だろうね」
「でもね」
「うん」
「『はい』って口にした瞬間、
急にその『はい』を取り消したくなっちゃった。」
「なんで?」
「わかんないのよ」
私は、頬杖をついて、息を吐いた。
「プロポーズって、もっと嬉しいものだと思ってた」
「嬉しくなかったの?」
「嬉しかったわよ。
でも、嬉しさよりも、
取り返しがつかないことを言っちゃった気がして、
すごく怖くなった」
「取り返しのつかないこと、かぁ・・・」
「そう、取り返しのつかないこと。
本当にこの人と一生生きていけるんだろうか、って。
キライとかそういうのじゃないのよ?
好きだから付き合ってるんだし。
でも、なんだか、
こんな重要なことを
言われたその場で決めちゃって良かったのかなって」
「そっかぁ」
トオルは一口ビールを飲んだ。
少しの間、沈黙が流れた。
トオルの方を見ると、目が合った。
と思ったけれど、彼の視線は私を突き抜けて、
どこか遠くを見ていた。
その瞳の光の揺れを見ていると、
彼の1メートル圏内にいるのにも関わらず、
どこか知らない雑踏の中に取り残されてしまった気がして、
心がざわついた。
「ねえ、どう思う?」
私が堪らず聞くと、
トオルは私と目を合わせて聞き返した。
「どう思うって?」
「私、ヤマトと一緒になっていいのかなあ?」
「なっていいとか悪いとかじゃなくて、
なりたいかなりたくないかだよ」
「そうだけど・・・」
「好きなんだろ?ヤマトのこと」
「じゃあいいじゃん」
「そうだよね・・・」
「うん」
ヤマトが残りのビールを飲み干して、
にこりと笑った。
「お腹空いたし、パイ食べようよ」
このウラログへのコメント
ヤマトと不倫の予感。。。
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