- 名前
- ゆきんこ555
- 性別
- ♀
- 年齢
- 39歳
- 住所
- 大阪
- 自己紹介
- かなり感じやすいですww色々いじめられるの好き☆つまりMですね。 一回潮とか噴いてみ...
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ウチュウジン ~3~
2011年10月05日 19:43
カンパイをして、それぞれが一口飲み物を飲んで、
二人して小さくため息をついた。
何の気なく、
カルアミルクの氷をからからと回す。
「ねぇ、サキさんはなんでそんなにいつも怒るの??」
「さあねぇ」
グラスにできたギネスの泡の輪を見つめながら、
トオルは少し考えた。
「たぶんね、僕があまりにも自由すぎるんだと思う」
「でも、他の誰かと浮気するとか、
そういうわけではないんでしょう?」
「うん・・・、そういうわけではない」
「この前も電話で話したけど、
俺ってさ、基本的にゆっくりにしか動かないし、
自分で勝手に行動しちゃうんだ。
こうしたいって思ったら、サキがどう思うかとか、
そんなこと考えずにやっちゃうんだ」
「一言相談すれば済むことなのに」
「頭では分かってるんだよ。
でも、言ってその後色々言われるのが嫌なんだ」
「分かるけど」
「そういうわがままな男なんだよ」
「誰だってそういうところあるよ」
「俺の場合、その領域が広いのかも」
「ふーん」
二人はまたカルアミルクとギネスビールを一口飲んだ。
「それに、俺たちはどこか、
相手の触ってはいけない部分を、
いつも触ってしまうんだ」
「触ってはいけない部分」
「そう、触ってはいけない部分。
友達の時はそうでなくても、
恋人関係になると、距離がグッと近くなる。
今まで話さなかったことも話すようになるし、
相手の色んな部分がどんどん見えてくる。
それでも、侵してはいけないポイントは誰にでもある。
そうして、サキと俺の場合、
自分を通そうとすると、
相手のそのポイントを踏まざるをえなくなるんだ。」
「なるほど」
「だから、しょっちゅう喧嘩になるわけ」
「嫌にならないの?」
「なるよ。
だから、何回も別れた」
「でも、すぐに戻ってるじゃない。
決定的に嫌になって別れる、なんてことはしないでしょ?」
「そうなんだよね。
どんなにしんどくても、
離れてしまうと、寂しくなるんだ。
それで、サキのことが好きだったんだって思う。
それで、戻る。
逆も然り」
「結局好きなんだ」
「多分ね」
「結婚はしないの?」
「向こうはしたいって思ってるみたい」
「へぇ!」
「でも、俺にはどうすべきか分からないんだ」
「なんで?」
「サキといると、たまに、
これでいいのかな、って疑問に思ってしまう。
恋愛はできても、
結婚生活はそう簡単にはいかないと思っちゃうんだよ」
「そりゃ簡単じゃないだろうけど・・・」
「それに、俺はなんとなく抵抗したい感覚に襲われるんだ」
「何に?」
「彼女に。
彼女の強力な吸引力に抵抗しないと、
俺は知らない間に、
自分が行きたいと思ってる方向とは全く別の方向へ
言ってしまうような気がする」
「どういうこと?」
「それくらい、
彼女の求めるものと俺の求めるものが
違うってこと」
「よくそれで6年間も付き合ってこれてるよね」
「俺も不思議」
トオルは少し笑って、ビールを一口飲んだ。
「そっかぁ・・・」
私は、カウンターに頬杖をついて遠くを眺めた。
「結婚って、どうやって決めたらいいんだろうね」
「相手に何を求めるか、だよ」
「そうなんだけどね・・・」
「ヤマトとはそんな話になる?」
「なった」
「え?」
「プロポーズされた」
私は、からからとグラスの氷を回した。
このウラログへのコメント
はじめまして。面白いです!!
急展開!!次回期待^^ 花火送ったよ~
りょうじさん>> ありがとうございます☆これからも読んでもらえれば嬉しいです!
ろんろんさん>> ありがとうございます☆感想は気長に待っていてください(汗)
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