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- 我ハ墓守也。
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ポケモン礼賛
2011年07月18日 23:51
この連休、子供が見たがったので最近公開された今年のポケモンムービーを見に行きました。
ご存じない方のために解説しておくと、TVアニメとして数十年の歴史を誇るポケモン、キャラクターグッズやら任天堂DSソフトやらでそれはそれはビッグな商業キャラとして不動の地位を確立しています。
そして、毎年夏に新作劇場映画を公開するのがもう何年も続いている慣わしなんですよ。
そう、毎年春に公開される劇場用ドラえもん映画と並んで、日本の子供達には定番と言える存在。
今年のポケモン映画は商業主義に一段と磨きがかかり、何と2本を同時公開、という荒業に出ました。
これは2本セットで1本分の料金で見れる…訳はなく、2本見たければ2回お金を払いなさい、という仕組み。
驚くべき商業主義でしょ?
子供相手の商売にこれはないやろ…とわしも批判的な一人。
その2本は「白」「黒」と色彩に因んだ題名で区別されています。
わしは子供が見たがった「黒」のほうを見ました。
内容はまあ、例年と変わらぬ筋書きで…という感じでしたが、
今年の設定はここ数年のものより無理がなく、見ていて安心できる感じでした。
因みに「白」の方は、「黒」にも登場する同じキャラクターが、別の筋立てで話を展開するらしいです。
この点、パラレルワールド仕立てなのか、RPGのようにキャラの決断が違ったせいで違う結末に至る…という設定なのか、興味が湧きました。
無論、子供が見たい、と言わない限り、観に行ったりしませんがね。
さて、ここから本論。
今日のポケモン映画を見て強く感じたことですが、
あれはね、日本でしか作れない作品です。
いや、日本からしか生まれない作品、と言い換えても良い。
それはね、あの有象無象のポケモンとして描かれる生命体がね、
実はそのモチーフを、そう、
八百万の神に置いているのではないか、と感じられるからです。
我々が共通認識として持っている、
川には川の神様が住み、
巨岩には巨岩の神様が宿り、
海には海の神様がいる。
こうした共通した価値観、世界観がないと、
あの作品が描く世界は理解できない。
そう、一神教の世界で育った人達には、
ああした作品を思いつく土壌がないんです。
ですから、わしは嬉しく思いました。
今でも日本の子供達は、こういう形で祖国の伝統、歴史、共同体意識を継承されている。
それが毎年ヒットし、受け継がれている。
これはね、形を変えた民話の伝承やと思います。
しかし、ここで皆さんが感じているに違いない疑問。
だってポケモンって、輸出されて海外でも大人気じゃん。
キリスト教国の子供達が八百万の神のことなんて理解できる訳ないのに、どうして人気が出るの?
それはね、わしの思うところ、
彼らの文化に今も非主流として密かに残る、非キリスト教由来の部分の影響ではないか、とわしは感じます。
例えば精霊やら幽霊、そして北欧神話、アイルランド神話、ギリシャ神話等々は、キリスト教国の人々が聖書以外の影響として大なり小なり必ず受けるものです。
例えば米国で大々的に祝われるハロウィーン。
今では日本も米国から輸入し、子供たちが仮装して遊ぶ光景が見られるようになりましたが、
あの行事の出自はキリスト教ではない、とご存知でしたか?
元はケルト族の行事やったものが、キリスト教国に広まった、とされています。
ですからキリスト教徒も宗派によっては、子供にハロウィーンへの参加を許さないものもある。
ケビン・コスナーの映画"Aperfect world"に出て来る少年は、家庭が「エホバの証人」の信者だったせいで、一度もハロウィーンに参加したことがない、という設定でした。
ですから、彼らの大多数は聖書だけの価値観で世界を見ている訳ではないでしょう。
そういう下地があればこそ、ポケモンの世界を受け入れ、想像力を膨らませて楽しむことが出来る。
そういう風にわしは理解しています。
尤も、ディズニーのモチーフは「反キリスト教」やと聞いたことがあります。
ミッキーマウスとその仲間は、聖書の価値観からは生まれるはずがないキャラクター達ですね。
そしてピーターパン、ピノキオといった欧州の作家が描いた非キリスト教的な物語をアニメ化し、世界中の子供達に大いに普及させた。
バチカンはさぞ、苦い思いをしたでしょう。
そしてそのディズニーは今でも、世界中にアニメを輸出し、
米国流の価値観を広めることに非常な貢献をしています。
我が国で「トイ・ストーリー」や「ファインディング・ネモ」を見たことがない子供は、探すのが難しいはずです。
彼らがそうした映画を見る度に、疑いのない真っ白な心に、米国流の価値観が刻み込まれる、ということは意識しておくことが必要です。
そしてわしがポケモン(と同じ意味でドラえもん)を礼賛する理由は、
我が国の子供達の真っ白な心に刻み込まれる価値観が、
外国から輸入したものだけでなく、
我が国独自の、
八百万の神をモチーフとしたものであり、
或いは未来からやって来た人間臭いロボットと一緒に生活しながら、
仲間と助け合い困難に打ち勝つ、という我が国独特の価値観を疑似体験させるものであるなら、
これは文化の伝承、国家の継続という意味で大変に大きな役割を果たしている、と信じるからです。
そんなことを感じたこの連休のポケモン映画鑑賞でした。
貴女はええ連休を過ごさはりましたか?
えらくシリアスな台風が近づいています。
どうかお気をつけて。
このウラログへのコメント
大事な大物プレーヤーを忘れていた。ジブリも同様です。彼らの作品もまた見事に我が国の価値観を表現しています。海外での評価も高く、我が国のソフトパワーを代表する存在ですね。
ポケモンの名前たくさんありますよね。
ピカチュウくらいなら判るかな。
> 未花さん
ジブリ面白いやん。「もののけ姫」なんて、もろに八百万の神の話やで。我が国を代表するソフトパワー。食わず嫌いせず多少は親しんでみたら?
> リコちゃんさん
あの商法にはほんまに参るよねえ。映画はどちらでもええのでは… 子供さんが選んでくれるよ。
> 317さん
引き込まれた? それは嬉しい。
そんな風に見たらまた違った印象になるやろ?
お子さんと一緒に楽しんでね。
> ★MAYU★さん
アニメに関しては我が国が堂々の世界一。その輸出で我が国の印象がどれだけ良くなっているか、その功績は計り知れない。わしはハリウッド映画が米国の印象を良くしているのと同等と思ってるよ
> *華乃*さん
あれね、シーズンごとに新しいのが加わるって知ってた?付いて行くのが大変。おまけにそれぞれ「進化」して名前が変わったりするからね。英語では別の名前がついてる。まったく試験受けてるみたい
> *華乃*さん
あれね、シーズンごとに新しいのが加わるって知ってた?付いて行くのが大変。おまけにそれぞれ「進化」して名前が変わったりするからね。英語では別の名前がついてる。まったく試験受けてるみたい
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