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禁断の果実

2009年07月19日 09:02

私が彼女と初めて会ったのは同じ会社で彼女関連会社の社員だった

購買部にいた彼女と連日のように顔を会わせるようになり次第に好意を持つようになっていった

中肉中背でややぽっちゃりした感じでいかにも家庭の若奥さんと言う姿が好印象だった

私より一回り位若いのかなと感じていた

購買部にいる彼女に資材購入や調査を依頼する関係で会話する機会がいつしか個人的な会話も入り込むようになっていった

二人の個人的な会話や日常の生活、或いは夫婦の話などするうちに一人の男と一人の女として意識する様になるまで長い時間は要らなかった

社内で人目につかない場所で手を握る事から指を絡ませる様になり

唇を重ねるのは自然の距離になっていった

勿論彼女には家庭があり私にも家庭がある

世間で言う不倫に間違いはない

ラブホの忍び合いも回を重ねていった


いつまで・・・・・・



ある日、彼女手料理をご馳走してくれると囁いた

もちろん彼女の家で


お互いに不安、期待に心も揺れた

私が彼女の家を訪れると言うことに不安がある事は間違いない


もし


子供や旦那さんが途中で帰宅したらなんて言い訳するか

強い葛藤が横切った


が意を決した


馬鹿な事をしている、誰もが当然そう言うだろう

しかし二人にはそんな常識は不必要なアダムとイブになっていた

子供が出かけていない日

旦那さんの仕事は夕方からで夜は彼女しかいない日

彼女の自宅近くの空き地に車を止め時間を待ち

日が暮れて薄暗くなるのを待った

彼女からメールが入り

子供も出かけて今夜は帰らない

旦那さんも先程仕事の出かけて今は誰もいない


どうする?


来れる?


止めて私が外へ出ようか!


メールの内容にも不安と期待が入り混じっていた


禁断の実


パンドラの箱


極限の不倫


二人の揺れる心が


赤い糸で導かれた


今からそちらへ向かう


車のドアを開けた


手繰り寄せられるように


1歩1歩


彼女の家に近づいて行く


通り過ぎる人の誰かを見ながら


知り合いに出会ったら何て答えようか


彼女の家の前に着いたが


一旦、通り過ぎる


振り返って周囲に誰もいない事を見計らった


急ぎ足で家の前に立つ


チャイムを鳴らす指先が小刻みに震えた


禁断劇場が始まった

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