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幸福の向こう側…3

2009年05月03日 18:37

あんな事があってから…


ヨシの様子がおかしく
余り笑わなくなった…

あの…涙のせいだ…


僕もあの涙と…

啜り泣く声が…頭から離れない…


以前…


あれだけユイの事が好きだった…ヨシには…


もっと…重いんだろう…


でもあれ以来ユイとも会っていない…


当然
ヒロには何も話していない…けれど…


ヨシの様子がおかしいのを気にしてか…


ヨシにかなり気を使っている…


ヨシ!

もう気にするなよ!
たまにはヒロも一緒に遊びに行こうぜ!


レンも誘って
キャンプに行った…

ようやく
ヨシにも笑顔が戻ってきた…けれど


なんとなく…

ヒロは元気のないヨシに気を使いすぎて…


そんなヒロにヨシも同じく気を使って…

二人の関係がギクシャクし始めていた



でも…

相変わらずの
ヒロ笑顔と明るさに…


ヨシだけではなく…

あんな事になった原因を作ってしまった
申し訳さに後悔していた僕も…


救われ
元気付けられた…



それからの僕は…

何とか
前の二人のようになってほしいと…

いろんなイベントの計画を立てて
ひっきりなしに二人を連れまわした

……………………


何ヶ月か経ち…

ようやく…
忘れたかけたころ…


ユイがヨシに連絡をしてきた…


もう関係ないから
会う必要もないよ…って

言ったけど…


ヨシも…
ちゃんと気持ちを整理したいから話してくるって…

ユイに会いに行った…


…………………



ユイに会いに行ったヨシから呼び出された…


ヨシと会うなり…


シュウジ…


俺…
ヒロ結婚出来ないや…



なんだよ!
いきなり!

今更何言ってるんだよ!
もうユイとは関係ないんだから…

ちゃんと話ししたんだろ?


ああ…

でも…
ユイ…

お腹に子供いるみたいなんだ…



はぁ?
お前何言ってるの?
バカじゃないの?

間違いなくお前の子供じゃないよ!


お前は 酒飲んで…
出来る訳ないんだから

なんでそれでヒロ結婚出来なくなる訳?



うん…
わかってる…

俺もそう思う…


ユイも…

別に…
俺の子とも言わなかったし…


だったら
もう二度とユイに会うなよ!

お前は
ヒロと幸せになる事だけ考えてればいいんだよ!


シュウジ…

ユイは子供産んで…
一人でも育てるって…



そんなの
当たり前だろ!

なんでお前がそんな事で
悩んでんだよ!



それに…



何だよ
他にも理由があるのかよ!


最近
なんか二人でいても会話が続かないんだよ

ヒロ…最近話ししてても
シュウジのことばかり話すし…
もしかしたら…


シュウジ…

ヒロの事頼むよ…


何言ってるんだよ!
そんな事あるはずないだろ!


ヨシ!
しっかりしろよ!

ヒロにはお前しかいないんだよ!


いや…
ヒロには
シュウジがいるけど…


ユイには…

俺しか…頼る奴がいないんだよ


だから…



勝手にしろ!
お前とはもう絶交だ!



この史上最低の優柔不断さ…と言うか…お人よしさ…


これで…

今まで…


どれだけ廻りが振り回されたか…



呆れてものも言えない!


もう二度とお前の顔なんか見たくもない!
ヒロを悲しませたら承知しないからな!!!


と…
言い残して

僕はその場をあとにした…

………………………


数日後…


ヒロから…

夜中に
泣きながら…
連絡があった…



急いで
ヒロとヨシの家に行くと…


暗い部屋で…
一人ぽつんと座って…


泣きじゃくっていた…


ヨシが
いきなり荷物をまとめって出て行った…って…


かける言葉が見当たらない…


あいつ!
ヒロを泣かせやがって!!!
絶対許さない!!!



でも…

僕には…
ただ傍にいて…

肩を抱いてやるしか出来なかった…


ヒロを…
好きじゃない…って言えば正直嘘になる…


もしかしたらヨシには
僕の気持ちを見透かされていたかもしれない…


でも…


親友だった奴のフィアンセだ…


本当に心から二人を祝福していたし
幸せになってほしいと願ってた…


あの時の…
一生の後悔が

目の前の現実となって
僕に押し寄せてくる…


もう後悔しても遅いし…
どうする事も出来ない…



ようやく
ヒロも落ち着きを取り戻したので…



大丈夫



うん…


シュウジ…

ありがとう…


今まで…
いっぱい気を使わせちゃったね…



私…


知ってたんだ…
全部…





ヒロは…
レンから


昔…
ヨシとユイが付き合ってた事
ユイは今でもヨシのことを好きな事
当時はヨシがユイにべたぼれだった事


全てのいきさつを聞いて
あの時の事も知っていた



それに…



怖かったから…


レンに話を聞いて
知らない振りして

ヨシに…
ユイちゃんの悪口言ってみたの…



そしたら

ヨシが…
大声で…

ユイはそんな奴じゃない!…って…


それから
二人でいても
あんまり話せなくなって



だからこうなる事も
なんとなく

わかってた…


シュウジ本当に
ごめんね…


遅くに呼び出して…



もう遅いから…
いいよ…

ありがとう…



あのね…


シュウジ…



ポロポロと涙を流して
僕の事をじっと見つめている…


出会ってから
あんな目で見つめられたのは
初めてだった…

もしかしたら

僕は…


心のどこかで…

そんな風に見つめられるのを
望んでいたのかも知れない…


真っ白のスキーウェアを着た
ヒロを初めて見たときから…



ヒロ


俺…



と…言いかけたのをさえぎるように…


涙をふきながら…

ヨシがいなくなっても
これからも…
ヒロ親友でいてね…


絞り出すような言葉…


でも…


ヒロのその言葉が全てだった…


それに…


僕にとっては…
救いの言葉でもあった…


それから…


僕は…
ヨシとは一切連絡をとらなかった

仕事が忙しいのを理由にして…
なるべく
ヒロと二人っきりで会うのも避けた…


でも…


たまにある
ヒロからの電話では…


以前と変わらず…
馬鹿話をして
冗談を言い合って


時間が経つのを忘れるくらい楽しく

長電話をした…


まるで…
本当の親友のように…


ただ
なんとなく…
ヨシの話題に持っていかないように

お互いに気を使いながら…


…………………………

ある日…


私…
来月から
1年間
NYに行く事になったの…

夢がかないそうなの…
すごいでしょ!!


やったじゃん!
向こうのデザイナーズ・オフィス
雇ってくれるんだ!
いよいよ新しい事に挑戦だね!


うん!
ヒロ
向こうで思いっきり勉強してくるからね!


シュウジ
応援しててよ!


ヒロだったら
絶対大丈夫だよ!


応援してるから頑張ってこいよ!



と…


喜んでるように言ったけど…


それを聞いたとき…
僕は内心
正直
かなり動揺した…


当分
ヒロとこんな風に話し出来なくなるんだ…


ヒロに顔見られなくてよかった…

電話で聞いてよかった…


………………………

次の月…

ヒロ
NYに行った…


………………………


NYにヒロが行ったのと同じ時期に…


かぜの噂で…


ユイが子供を生んで
ヨシと結婚した事…

ユイの両親に反対され…

ヨシがミュージシャンをやめた事

髪の毛をばっさり切って都内のバーで働いている事…を聞いた…



それから数ヵ月後…



ヒロから
一通のハガキが届いた…



そこには…


NYの風景と



もう大丈夫だよ…

今…

ヒロはとっても
幸せだよ…


ヒロからの…


一度目の
近況報告だった…

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