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幸福の向こう側…2

2009年05月02日 10:48

次の週末に
ヨシとヒロの新居に
無事…引越し完了


と同時に
ヨシがヒロの両親に挨拶に行った

さすがに…

正義感
責任感

が人一倍強いヨシだけあってそこはちゃんと押さえてる…



ヒロの両親も…
理解ある両親だったようで
喜んでくれたみたい…



後からヒロに聞いたら…



特にヒロのお母さんが…
えらくヨシを気に入って…


っと言うより…



ヨシを見たお母さんが…いきなり豹変して…

いつものお母さんじゃなくなって…
可愛い女性になったみたいで…



ヒロ
お母さんに…




変な目でヨシの事見ないでよ!



って…



釘をさしたみたい(笑)


ヨシがお酒…苦手なのを残念がっていた
お父さんも…

そのお母さんの変わり様に…気付いて…

やっぱり少し妬いてたみたい…




カッコイイ男は
やっぱり
世代を超えるんだなぁ~



……………


本当に…




順調に…



二人は…
幸福に向かって歩みだしていた…



………………………



ところが…
ある日…




あるタレント
バックバンド
最後のリハーサルが終わり…


ツアー前の前祝いで
飲みに行く事に…


ヒロは撮影の出張で海外だったので
飲めないヨシも一緒に…




次の日はオフだったので



皆で盛り上がりまくった…




さすがに…
ヨシは飲んだら爆睡なので飲まないで
それでも同じテンションで盛り上がっていた



そのうち
メンバーの一人が
電話して

取り巻き女の子を呼んでいた…


三人の女の子達が合流…


顔を見た途端…


うわぁ~
嫌な奴らが来たなぁ~



その女の子達のリーダー格のユイは…



以前…


ヨシと付き合った事がある…




当時は真剣に付き合って
相思相愛の仲だったのに


何が原因だったかは…
さすがに僕には解らないけれど…

普段滅多に怒らないヨシが怒って
喧嘩して…


当時はヨシも落ち込んで
それでも好きだったらしく…

優しいヨシは
何かを許そうと
かなり苦しんでいて大変だったけれど…


結局別れた…


今でもユイは
ヨシに未練タラタラ…


ヨシと付き合いだした頃はそんな子じゃなかったはずなのに…


ヨシと付き合う女の子
みんなに嫌がらせをし…
陰湿なイジメをして

別れさせて
笑っている…
子になってしまった




今では
大嫌いな奴ら!




僕も
何度も
ヨシと付き合った女の子 をかばって…


そいつらに
何度も文句を言っていた…


だから
奴らにとったら
僕は邪魔な

目の上のタンコブ…


本当は
ヒロの事も気にくわなかったんだろうけれど…


今までの彼女と違って
他の取り巻きから
メンバーまで…

みんなに好かれて
可愛がられていたヒロには何も出来なくて…


きっと
じだんだ踏んでいたに違いない…


でも…


もう
ヒロとヨシは


仲間の間では
みんなが羨ましがり
祝福する程の公然の仲


もう誰も邪魔しないし
出来ないから

僕の出番はないな…と

安心していた…



いつもは
奴らが来ても

喋らない…どころか…
目も合わさないんだけど…


その日…
僕はかなり飲んで酔っていたのも手伝っで…


もう
奴らも反省してるだろうし
今までの事は時効
もういい加減良いだろう…


水に流してやるか…と



久しぶりに普通に話しをして…
一緒に飲んだ…




時間が解決したのか
改心したのか…



三人共…
楽しい
いい子達…

以前の様に戻っていた…




だから
ユイの家に美味しいワインがあるから飲み直そうって 誘われて…


ワイン大好きな僕は
どうせ帰り道
僕の家の近くだし

と…断る理由もなく…


ヨシと僕と
残ったヒトミと
メンバーのレンと
五人でユイの家に行って…



飲み直した…




ギター弾きながら
皆で歌って
美味しいワイン
楽しく飲んでいると…


調子出て来たのか…


なんか…
いつもシュウジは
本当に美味そうにワイン飲むなぁ~


と…


ヨシも飲むって言い出した…

僕も酔っていたし…
寝ても僕の家に連れて帰りゃいいか…って…


飲め!飲め~
飲んじゃえ~




ってすすめてしまった…





そのうち
やっぱり…
ヨシは爆睡


ヒトミとレンもダウン…


僕もダウン寸前で…
もう限界…




今日はもう解散~
帰ろう!




まだワイン残ってるし
いいじゃ~ん


って…ユイに言われて
引き留められたけど……


もう酔っ払ってダメだよ
また今度飲もうよ

とヨシを担いだけれど…


一人でもフラフラな僕が 担げるわけもなく…



ユイが…


寝かしといてあげなよ~
起きたらちゃんと

ヒトミとレンと一緒に
追い返すからさぁ~




僕もさすがに連れて帰るのは無理だと



まぁ四人だから大丈夫かぁ~



と…


四人をユイの家に残し…



フラフラだったけど…
何とか僕一人だけは家が近かったので帰った…




………………………





夕方起きて…



みんな…大丈夫かなぁ…



と…
ヨシに電話したけど…
連絡がつかない…



あいつら
まだユイのところで爆睡してるんだなぁ



と…



ユイの家に向かった





ユイ!

ユイ!


返事がないので
ドアノブを回したら…

ガチャン…
鍵がかかっていない…



お~い

まだ寝てるのかぁ~
もう夕方だぞ~
早くみんな起きろ~



と部屋に入った…





!!!!!!





お前ら!
何やってんだよ~



ヒトミも…
レンも…
既に帰ったらしく…

いない…




ヨシと…
ユイが…



同じベットに…


おい!
ヨシ!

何やってるんだよ!




ユイは
僕の声に…


何も着ていない状態で…直ぐにシーツに包まってベットに座り込んだ…



ヨシは…


ふぁ~~
なんだよ~

あ~
シュウジかぁ~



と…


目をこすりながら…

何だか今まですっかり寝てました状態…



ヨシ!
後ろ!


何やってんだよ!




ヨシは後ろを振り返って
跳び上がる程ビックリして…


なんだユイ!
どうしたんだ!
その格好!


えっ!?



と…
そこで
始めて…


自分が何も着ていない事に気付いて…




うわっ!



えっ!?
なんなんだぁ…


その時…


僕は一瞬で…理解し…




一生の後悔をした…



くそ~
こいつ!
はめやがった!



ユイ!
お前!


汚いぞ!
最低な女だな!



といっても
自分がはめた…なんて…ユイが認めるわけもなく…


何も言わず…


下を向いて
泣いたふりをしていた…





いや…





ちがう…



本当に…



涙をポロポロ流して…




泣いていた…






その涙の意味…




ヨシを…はめる為に…
芝居で流している涙か…




それとも…



ここまでして…


みんなを敵にまわしてでも…

ヨシを取り戻したい位…




好き…


…って涙か…




僕は…

正直…
解らなくなった…






少なくとも…


ヨシは…


お酒を飲んだら
絶対無理…


地震がきて…

上から顔に物が落ちてきても起きない位だから…




仲間に…
この状況を話したら…

間違いなくみんな…


ユイがはめたって
わかる…



誰もが…


ヨシがお酒を飲んだ勢いで…

なんてありえないって事知っている…





なのに…
ここまでするか…





でも…




そんな事言ってる場合じゃない…




ヨシには
ヒロがいる…



ヨシ!

早く服着ろ!
行くぞ!



ヨシも…



その涙の意味を考えてたのか…


何も言わず…


服を着て…




僕と一緒に
ユイの家を出た…



玄関のドアを閉めて出る時に…



ユイの啜り泣く声に混じって…




ヨシ…



…行かないで…

…………ごめんなさい…

……もう許して…



と言う声が…




微かに聞こえた……

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