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歩いても歩いても

2008年12月08日 01:48

歩いても歩いても

是枝裕和監督の最新作「歩いても歩いても」を少し遅れて早稲田松竹で見てきました。
ある老夫婦のもとに、亡くなった長男の15周忌で集まった次男家族、長女家族。家族の中の記憶をもとにした親しみと、それゆえの残酷さ。老いの残酷さ。家族の構築のむずかしさ。それらが、この家族たちの1日のなかで、慎ましやかに描かれます。
 「幻の光」で、家族の再生(もしくは新生)の萌芽を描いた是枝監督が「誰も知らない」に引き続いて家族のむずかしさと苦さを上手に描いています。
阿部寛が(手放しで称賛はするものではないですが)うまい演技をしています。また、樹木希林彼女の持ち味をいかした演技で他の演技者を引っ張ってます。でも、僕は、原田芳雄の押さえた演技に好感を持ちました。また、「座頭市」のときよりもずっと点数を高く付けたいのが夏川結衣です。うん、いい女優になりましたね。
 かつて開業医を開いていた父と、その妻である母の住む海の近くの住宅地に、次男が妻と子供(妻は再婚で、この子供は死別した先夫との間の子供です)を連れて、久しぶりに訪れます。彼は若いころから兄と比べられていたのですが、その兄が、見ず知らずの子供を助けようと海に飛び込んで死んでから、よけいに両親と疎遠になっているのです。その老夫婦のすむ住宅を狙っているのが長女夫婦で、この長女(YOUが是枝映画の前作のように、自然に(と思える)演技をしています)は口だけ達者な夫と、二人の子供を連れて訪れています。
 まったく会話に加わろうとしない父親。父親に多少のうらみ(この映画のタイトルである「歩いても歩いても」はいしだあゆみの「ブルーライトヨコハマ」からきていますが、母親が夫の浮気先の家の軒先に忍び寄ったときに聞こえたのが、夫が歌うこの歌なのです)を持ちつつ、夫婦二人でやっていこうと思っています。
 次男夫婦のなかでも、義理息子は死んだ実父の処理をできていなかったようですが、この一晩の体験で・・・・。
 最後のナレーションが必要なのかどうか・・疑問はありますが、次男夫婦の家族の再生は確かに行われたようです。
 家族のあいだの、こびりついた反目とかお互いへのいたわりなどの複雑な感情の模様がきめ細かく描かれています。

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