サウダージ

今日、会社帰りに果物が食べたくなって駅ビルの果物やさんによることにしました。

だけどそれは少し憂鬱でした。
果物屋さんにいくには否が応でも長いお菓子売り場を横切らなければならないのです。

お菓子売り場はバレンタイン商戦の真っ最中・・・。


本命のいないバレンタインはつまらない。

職場への義理はもう大体きめた私だったが、本命のあの人へはどうがんばっても渡せない。

綺麗に飾られたチョコレートケーキ。
宝石のようなトリュフ。
お煎餅までかわいらしいハート・・・。


渡したいあの人はいないのだ。
いない・・・。いない・・・。あなたはいない・・・。

今年はバレンタインにであったから来年は一緒にバレンタインすごそうね。なんていっていた日々が懐かしい。どんなに彼を思ってみても彼はもどってこない。

今、どこで何をしているのか・・。
極端な話、生きてるの？死んでるの？

チョコレートケーキを予約するカップルを見て私は涙を流した。
クリスマスも同じような場面で泣いていた。

Ｔ君以上の人と恋愛をすればいい。
そう自分に言い聞かせてみても何の慰めにもならなかった。

Ｔ君の笑顔、声、体のぬくもり、吐息、いとしそうに私の名前を呼んだ。何度も何度も呼んでくれたのに・・・。

それでもどこにもいないんだね。