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馴染みの子つづき

2008年05月19日 12:27

手を洗っただけで、ご機嫌が直るなら簡単な事と
石鹸で丹念に特に指先を洗って、臭いが付いていないか
と鼻で嗅ぎながら証拠隠滅に励んでカウンター
戻って

ビールを注ぎながら彼女のご機嫌を伺うが
まだ般若の面のよう顔をしている。

今日は忙しかったか?
嫌なお客さんは来なかったか?
と、仕事の事を聞いても返事が無い。

髪を切ったのか、若返ったよ
今日のブラウスは、似合うよ
と、ヨイショをしても返事が無い。

こうなったら食べ物で誤魔化そうと
彼女の好きそうな物を注文する

店の親父もこの場の雰囲気を変えるために
積極的に彼女へ言葉を掛けながら
料理を作るが、殻に閉じこもった彼女
ガンと口をきこうとしない。

困った、もう打つ手は無い。
何かご機嫌を直す手がかりは無いか
考えていると

「もう、帰ろうかな。あなたはキャバクラ
 遊べば、楽しいのだろうし。
 マスターの顔も見たくないから」

最悪の一言!
このまま帰すと、今後ますます事態は悪化する。

ハンドバックを持って席を立とうとする彼女
引きとめようと、彼女の手を握ると
彼女
「汚い手で触らないで」と手を振り払う

「汚いと言うなよ。きれいに洗ったんから」
彼女
「そんな問題ではない」

「ただちょっとキャバ嬢にいたずらをしただけなんだから」
「相手の子は、俺の体に触ってないし」
彼女
「あたりまえでしょう。いくらキャバクラだって客の
 体を触るはず無いでしょう」

「そっそ、だから浮気はしていない!
 体だって、綺麗なままだぞ」
彼女
「若い子がいいのでしょう?若い子と遊んでいれば
 良いんだ。どうせ私なんかオバサンだよ」

席に座り直した彼女は、一気にビールを飲み干し

彼女
「仕事が終わってお客さんに誘われていたけど
 断って来たんだから」
「嫌な客をママから押し付けられたけど
 我慢したんだから」
  ・
  ・
  ・
ビールをがぶ飲みしながら愚痴を続ける彼女
ビールを注ぎながら相槌を打つ俺。

この後、場所を変えて、愚痴に延々と付き合わされる事
になるが、

今日はこれまで

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