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フランス親父に負けたくない!

2008年01月20日 00:53

去年のパリのカフェでのお話。
昼飯時に一人でぶらっとカフェに入り、チキンサラダレモンティを注文した。
裏通りの店なので日本人はいなく、フランス人のたまり場となっていた。
案内された席の隣にその親父が座っていた。
真っ赤なポロシャツを着て、タバコをくゆらせながらただ1杯のコーヒーで彼は時間をつぶしていた。
でっぷりとした身体で、時間をもてあまして人生を過ごしている親父に見えた。
それから15分ほどして20代のパリジェンヌノートパソコンを小脇に抱え、親父の隣の席に座った。
そこから親父の動きが変わった。
ボンジュールから始まる親父のナンパ攻撃。
仕事を始めたパリジェンヌナンパあしらいに長けているのか、そんな親父をずっと無視していたため、親父はナンパをあきらめた。
それから15分して、
親父はウエイターを呼んだ。
このお嬢さんサンドイッチをと、見知らぬ他人の食事を注文した。
彼女は驚きながらもその親父の行為に対してメルシーと、食事を平らげ、何事もなかったように店を後にした。
それから15分、
親父は2人分の代金を払い、店を出た。
僕はその後、ゆっくりめの食事を終え、カフェを出た。
すると道の向こうから一組のカップルが目に留まった。
見覚えのある赤シャツだ。
あの親父だ。
親父が女を連れて歩いていた。
みっともなく太った親父は孫のような娘と腕を組んで歩いていた。
その娘は、
信じられないことにあのパリジェンヌだった。
パリで目にした奇跡の瞬間、親父達はシャンゼリゼ通り方向に向かって楽しそうに散歩していた。
すげえな、フランス人
人生、あんな年になっても楽しんでやがる。
うらやましいから俺もがんばろうとパリで誓う男心だった。

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