- 名前
- エンドウ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 41歳
- 住所
- 愛知
- 自己紹介
- 精液を溜めすぎると身体に悪いという俗説があります。 実際には常に新しい精子が作られて...
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その名を呼べば
2005年12月18日 23:43
それはもう、はるか昔のこと。
この世界には名前という概念が存在しなかったといいます。
名前とは、ある人や事物を他の人や事物と区別して表すために付けた呼び方です。
ですから、どこの誰ともわからない俺のことも「エンドウ」と名を与えることによって、他の誰とも違う「エンドウ」さんという存在として成立するわけです。
太古においては、きわめて狭いコミュニティで生活していたであろう事や、現在の価値観との相違から、名前を用意する必要がなかったのだと思われます。
「これ」とか「それ」、「お前」とか「あなた」という代名詞で十分コミュニケーションが取れていたのではないでしょうか。
しかし、集団の規模が大きくなるにつれて次第に不都合が出てきたのでしょう。
家族程度の集まりならば同じ概念を共有することができますが、それがお隣さんと共通するものであるとは限りません。そうなると会話が成立させることが難しくなります。
例えば、両家の間を行き来していた動物がいたとしましょう。
一方はそれに犬という名を与えましたが、もう一方は猫と呼んでいました。それぞれの家の人間がその動物について話をするとき、お互いに「あの犬は~」「あの猫は~」と言っていては、もう訳がわかりません。
そんな混乱を回避するために、共通の認識として固有名詞という概念が生まれたのです。
まあ、憶測ですけどね。
さて、この場ではエンドウとだけ名乗っていますが、もちろん俺には名前があります。
これがもう、まぶしい陽光を受けて金色の漣を立てる稲穂のように豊穣なものなんですが、名前だけを耳にすると八割がた女性であると勘違いされてしまいます。
初めての子どもである関係なのか、男の子でも女の子でも使える名前にしようと両親が頭をうならせて考えたものであると聞いています。しかしまあ、どちらかというと女の子寄りなので、即座に男の子とわかってくれた人は少なかったはずです。
そのことを多少はコンプレックスに感じた時期もありましたが、今では名前は誇りのひとつです。女性に間違われるのも一興であります。
実際に多くの勘違いを目にしてきました。
今では個人情報保護法の関係にて、病院の待合では番号で呼ばれるようになりましたが、それこそ小学生ぐらいの頃までは名前で呼ばれていました。
男の子ならば○○くん、女の子ならば○○ちゃんといった具合です。
同い年ぐらいの男の子がくん付けで呼ばれる中で、エンドウさんだけは常にちゃん付けで呼ばれていました。さすがに中学生にもなると男女一律でさん付けになりましたが。
呼び方に差異があるくらいはどうってことはないのですが、問題は書類上の思い込みです。
どこかの誰かが売却した名簿より流出したであろう住所を頼りに、いろいろと郵便物が送られてくるというのは誰もが覚えのあることでしょう。
進学塾や教材などの性別を問わないものはいいのですが、その逆は少し戸惑います。
さかのぼること4年の大学受験。さらに3年前の高校受験を控えた時期。それはもう怒涛のごとく、女子大あるいは女子高が届きました。
おいおいボク男の子だよ、それでもいいの?
そんな面持ちでせっかく送られてきたのだからと資料に目を通していると、学校説明会に行けば図書券をプレゼントしてくれるそうじゃないですか。小遣いの少ない当時のエンドウさんにとってこれほど嬉しいことはありません。
善は急げとばかりに母に相談したところ、「みっともないから止めなさい」と即答されました。当たり前ですね。
しかし、そんなものはまだまだぬるい。
化粧品のパンフレットやエステの案内、下着のカタログさえ配達されてくる始末です。
確かに名前だけ見ればそれらのターゲットとなりうる女性ですが、その実はワキ毛もスネ毛もしっかり生えていて、股間にチンコぶら下げた男ですよ。どうしろっていうんですか。
送付側は根本的な間違いを犯しているわけですが、何はともあれエンドウさん宛てに送られてきたものには違いありません。
穴が開くほど眺めてやろうではありませんか。特に下着。
一口に下着といっても膨らみ始めた胸をはじめて覆うようなファースト・ブラの類ではありません。見惚れるようなスタイルの欧米のお姉さんが、魅惑的なボディを引き立てるために付けるセクシー・ランジェリーの部類です。
降雪のために室内に非難してきた物干しにぶら下がっている母や妹のもっさい下着なんて比較になりません。付けている意味があるのかどうか疑わしいほどの面積や薄さを誇るセクシャルな布切れは脳髄を刺激して止みません。
エンドウさんにこんなカタログが送られてくるということは、同年代の女性はこんないやらしい下着を着けているということでしょうか。それはなんていやらしい。
しかし、実際にセクシー・ランジェリーのユーザーにはお目にかかったことがないので、身辺にはいないのかもしれません。ことごとく値の張る商品ばかりですしね。
ともかく、片鱗といえども女性の世界を垣間見ることができるのは、名前のおかげです。
最近ではレンタル袴のカタログが贈られてきました。
それを見ると、やがて終わりを迎える大学生活を思い、残り少なくなった時間に思いを馳せるのです。
きっかけが袴のカタログというのが失笑ですけどね。
このウラログへのコメント
なかなかお目にかかれない女性用カタログを見れたって事で良しとしよう!!
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