都会の怪談

小学生の頃ね
学校図書室で読んだ本に
「世界の怖い話」というのがありまして
世界各国に伝わる怪談奇譚が
載ってたんですね

そのなかで一番印象に残った話が
タイトルは忘れちゃったんですが
内容は…


ある若い男が毎日に退屈して
フラフラと街を歩いていたら
賑やかな宴をやっている家があった

「お兄さんも入ってきなよ」と　
勧められるままに入って
ワインを呑んだらおいしくて
ガブガブと3杯呑んで
歌って踊っておおはしゃぎ…

さて楽しんで満足したので
帰ろうと家を出たら
辺りの様子がすっかり変わっている

通行人に話を聞いたら
あれから300年が経っていた
自分の家はなく知り合いもいないことに
愕然として座りこんだ…


みたいなストーリーね

こういうのって大体教訓みたいなの
入ってるはずですが
なんなんですかね
つまんなく思える日常でも
なくしたら大変だぞみたいなことかな？
それとも飲みすぎ注意とか？
（ヨーロッパの昔話だからそれはないか）

にしてもワイン3杯飲んだだけで
どんだけの代償なんだよって
子どもながらに本当に怖かったんですよ


それでね
つい一昨日もその話を
思い出したんですよ

一昨日ね
鰻屋を出たあと、姉が選挙したいというから
姉選挙区に移動して
まあぶっちゃけ港区なんですけど
それからまた飲み直そうとなったんですが
とにかく暑いから近場で…と
虎ノ門ヒルズを歩いたんです

でね　最近の新しいビルによくあるんですが
わざわざ横丁みたいなエリア作っていてね
小さい飲み屋が屋台風形式でたくさんあるんですよ

我々はワインを飲める店をそこで探していたら

一軒だけあったんですよね
オーガニックワインのバルが

廊下に出てるメニューみたらツマミはまあまあ
千円くらいか800円くらいな感じだし
まあそれは良いんだけど

ワインの値段書いたメニューがない

そうしたら店のお兄さんが
ニコニコしながら

どうぞ！いらっしゃい！
オーガニックワインおいしいの
たくさん揃ってますよ！

と声をかけてきたので

ええ、そうみたいですよね…
すごく良いね…良いんですけど
お値段が全く書いていらっしゃらないのでね…
だいたいおいくらですか？

と尋ねたら


ハイッ　大体一杯2,000円前後となっておりまして
2500円を超えるようなものについては
お声がけさせていただいておりますっ


(　ﾟдﾟ)

に、2,000円！　2500円？　一杯？

この屋台みたいな店で？


えーー！と思いつつ
とりあえず笑顔で　
ちょっとほかも探しますねー
などと平静を装い店をあとにしたのだけど


2000円、2500円…
2人で飲んだらあっという間に万札飛ぶ…！


ってなことが頭をかけめぐり
アッ
あの話と同じくらい怖いじゃん！ってね

思い出しまして


ひとりふるえてました（笑）


あの皆さんもほんと
森ビルとか丸ビルとかミッドタウンとか
それ系のビルに入った
横丁風の安酒場を装う店には
くれぐれも気をつけてください

まじでトワイライトゾーンです