金魚がくれたもの。

皆さんこんにちは！

この処，
気温が上がってきて，
暖かい日が続くようになりました。
嬉しい季節がやってきました。
ずっとこの陽気が続けば良いなと思います。
ま，地球は公転しているのですから，
そういう訳にはいかないですけどね。

今日は珍しいものを見たので，
それを書きたいと思います。

前回？前々回？，
このログで水槽の水替えの様子を書いたと思います。
それにちなんだことでは無いですが，
その後の金魚ちゃんたちについてです。

８匹の金魚ちゃんと２匹の鮒ちゃんたちは，
その後，恙なく暮らしてしました。
朝，私が水槽に近づくと，
水面に顔を出して，
あ，口だけではないですからね。
本当に顔まで出して餌をねだるのですよ。

「よしよ～し，餌だよ～」
と声を掛け，餌をあげます。
そのうち，
お手とかも仕込めれば良いかと思うほどです。
可愛いんです。

処が先週，
突然，餌を食べなくなったのです。

「父～，金魚が餌を食べなくなったのだけど」
「あ～，そろそろなのかもな」

そろそろ？
何じゃそれって感じで，
父の言葉を聞いていました。

父はその夜，
グッピーやメダカの赤ちゃんを育てる，
フローティングネットに糸をつけて，
水槽に括り付けていました。

「赤ちゃんもいないのに，
　何をしているの？」
「ああ，そのうち判る」

父ははぐらかして答えません。

次の日も，
金魚たちは餌を食べてくれませんでした。
次の日も，その次の日もです。

ある朝，父が私に声を掛けました。

「これ，見てみろ」

父はフローティングネットを水面に持ち上げます。
すると，
そこには小さなつぶつぶが，
びっちりとついていたのです。

「父，なにこれ？」
「判らないか？
　金魚のたまごだよ」

初めて見ました。
お寿司屋さんで食べるとびこが
透明になったようなたまごがそこにあります。

「こ，これが金魚のたまご？」
「そうだ。産卵のせいで，
　餌を食べなくなったのだと思う」

産卵してくれて，嬉しい限りです。
たまごたちが全部孵れば，
ものすごい数の金魚になります。

ですが，悲しいことも起きました。
金魚が一匹，
水底に横たわったままで動かないのです。
父が腕を突っ込んで拾い上げます。

「父よ，
　この前みたいに人工呼吸できないの？」
「無理だな。
　口やエラが動いていればそれも可能だが，
　全く動いていない。
　今回ばかりはどうしようもない。」

父は亡くなった金魚のお腹を押して，
何かしています。

「こいつはオスだったな。」
「何でわかるの？」
「まだ精液が出てくる」

そういうと父は精液をたまごに塗り付けていました。

「何しているの？」
「人工授精だよ」
「鮭みたいだね」
「同じだよ。
　たくさん孵ると良いな」

たまごたちの為に，
自分の身を犠牲にした金魚さん。
悲しいです。

「おい，感傷に浸っている場合じゃないぞ。
フローティングネットを裏返すんだよ。」
「え，何で？」
「親金魚がたまごを食べちゃうんだよ」

自分たちの子供を食べちゃうなんて，
何て残酷なとも思いましたが，
それが自然の摂理なのでしょうね。
慌ててフローティングネットをひっくり返します。

「水槽の水，
　替えないとダメかもな」
「何で？」
「放精されているから，濁りがある。」

金魚さんのためには仕方がないですが，
あの作業をまたやるのか・・・
ちょっと気が重くなってきました。

でも，
新しく孵った赤ちゃんたちの為になるのでしたら，
頑張れるってものです。

お亡くなりになった金魚さんは，
庭の隅にお墓を作ってあげました。
お線香も上げました。
煙と一緒にあの世に旅立った金魚さん。

「三途の川で元気に生きてね！」


今日も我が家は通常営業です。


今回もご覧頂き，ありがとうございました。

コメントを頂けると，嬉しいです！

それでは，また！

(#^^#)