【お題日記】激安物件住んだことある？

大学時代に勝手に一人暮らしのために契約した物件は家賃25000円、風呂トイレ共同、6畳一間の何故か駐車場付きでした

兄から貰ったドアに穴が空いたポリバケツ色のスバルレオーネバンをレストアして乗ってたので、駐車場付きのこの物件は一目で気に入って住んでました

窓を開けると竹藪で、夏は風情があって気に入ってました

何しろ初めての一人暮らしで、暮らしに必要な物も1つずつ買い足していって、徐々に普通に生活が出来るようになっていくのが嬉しかった

初めて炊飯器を買って、米を炊いた時は炊きたてをシャモジで一口食べたら止まらなくなって米だけで2合食べてしまったのを今でも覚えています

他の部屋も全員美大生だったから、アパートの裏には作りかけのオブジェが置いてあったり、夜になればあちこちから聞いたことも無いような民族音楽的な音楽が聞こえてきたり、ギターを練習してる人がいたり、ハーモニカを吹いてる人が居たりと賑やかでした

共同のトイレは和式で、常に汚れていて、はみ出した便がとぐろを巻いていたのを見た時は、「ウ◯コハミ出したやつは105まで来い！説教してやる！」という張り紙をして抗議しました

共同風呂も入るのはなかなか勇気がいる状態で、風呂の蓋を開けるとカマドウマがこんにちはとか、流石カマドウマと感心してしまうような感じでした

隣の部屋のティッシュを抜く音まで聞こえるような薄い砂壁だったから彼女を呼ぶ事もできなかったけど、あの暮らしは今でも楽しかった想い出としてたまに思い出します

課題を徹夜して終わらせてベッドで寝てたらいつの間にか外は大雪になっていて、何故か窓を開けたまま寝てたら足元に雪が積もってて冷たくて起きたり

部屋中を目貼りして暗室を作って写真の現像をしたら部屋が定着液の氷酢酸の酸っぱい匂いがこびり着いて1ヶ月くらい臭かったり

そうやって失敗したことで色んな事を学んだ気がします

何より自由だった

竹藪が風で鳴る音を聞くと、懐かしく思う

背負うものを背中から下ろせば、またあの自由な時間が持てるのかな

歳をとって子供が巣立ったら、今の家を売っ払って激安物件に住んで自由になるのも悪くないかな、、、なんて思ってしまう

疲れてるのかな、、、


自分が望んで背負ったものだし、今更自由になりたいとか、何を言ってるんだろうとも思うけど、あの頃の自由な暮らしを思い出すと、懐かしくて憧れてしまうんです

勝手なもんです