- 名前
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- 外見はまじめ。60歳代だけど禿げてませんよ。小柄だけど、体力あります。性格はのんびり...
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ラッシュライフ 伊坂幸太郎著
2007年07月28日 13:20
あれっ、1日で(本当は数時間かからず)読んじゃった。
これも文体は他の作品と一緒。
で、輪舞のように幾人かの登場人物の物語(それもペアで登場することが多い)が入れ替わります。
まったく違う話が(どの話も仙台で起きているらしいが)、微妙に時間軸や空間軸がずらされており、それが収斂してつながっていきます。
つまり、この小説は、別々の物語が思わぬつながりをもって全体像を作りあげる、その驚きを味わうものなのです。
ですから、筋書きといってもむずかしい・・。
金を信奉する画商と彼の言いなりになりつつある新進女流画家。ダブル不倫中のサッカー選手と心理カウンセラー(女性精神科医)。父が17階から飛び降りた過去を持つ、絵を描くことが好きな青年と、彼があこがれる教祖を祭る宗教団体の幹部。職を失い妻に見捨てられさまよう男とみずぼらしい老犬。ポリシーを持って仕事を遂行する空き巣専門の泥棒と大学時代のその友人。それらの風景に、宝くじとか犬とかいった、「アヒルと鴨のコインロッカー」にも使われた道具が現れ、さらには「話をするカカシ」の挿話が出たりしてにぎやかです。
収斂した全体図には、郵便局の強盗の詳細や老夫婦強盗のこと、行方不明の青年などなどが抜けているので、ここは読者が想像しなさいということなのでしょうか。
まあ、軽く読むことが出来るという意味で、その技量たるやたいしたものです。
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