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街のあかり

2007年07月23日 08:52

街のあかり

カウリスマキの最新作。
負け犬三部作の完結編。

もう、出だしからずっとカウリスマキ
あの映像、あの色合い、あのカメラアングル、あの言い回し。
美人のはずの悪女キャラなのに、日本人の僕から見ても美人じゃないし。

物語は夜警をしているコイスティネンの日常からはじまる。仲間とうちとけることなく、上司達からも疎まれ、仕事明けによる移動コーヒーショップ女性からは好意を持たれているのに、彼の孤独はそれにも気づかない。
そんな彼の「犬のように忠実な女々しい男」としての本性を見抜いたギャングの男は、彼に自分の情婦ミヌラを差し向ける。
すっかり彼女を恋してしまうコイスティネン。夜警の仕事に、ミヌラの希望をきいて、彼女を連れてきてしまい、宝石店のセキュリティの暗証番号を盗まれてしまう。
彼女の仲間たちに睡眠薬で眠らされて、宝石店が襲われても、「犬のように忠実な」彼は、警察でも彼女の存在を言わない。さらに、彼女仮釈放中の彼の元をおとずれて、盗まれた宝石を彼の部屋のソファの枕の下に入れているのを偶然目撃した後でも、彼はなにも逆らわず、マフィアの通報で訪れた警察に抵抗もなく捕まってしまう。
 刑務所の中でも孤独に過ごし、冬が来て、春が来る。
 出所してやっと新しい仕事に付いたと思ったら、そこでまたマフィアに出くわし、彼らの雇い主への通報で、前科を隠していたコイスティネンは解雇されてしまう。
 思い余ったコイスティネンが、窮鼠猫を噛むってわけじゃないけど、マフィアを襲ったが・・・・
 ボロボロになった彼を救い出したのは、孤独な彼が唯一心を通わした、犬と(おそらくは通りに住む)少年であった。彼らがコイスティネンの元に連れてきたのは・・・・。
 そして最後数秒のシーンで救いが示されるのです。

もう、本当にカウリスマキの映画は、正義や正直が何の役にも立たないことを示してくれます。世界はナイーブではない。
 でも、ここでも「心優しい老人」(カウリスマキが自分でそういっている)は、最後の最後に救いを、希望の光を示してくれます。
 「浮き雲」のラストで、これからまたやりなおそうと心に決めた夫婦が空を見上げるのと同じように。

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