趣味は読書、涙の行方

今夜、眠れなくて、自分の年齢も考え、母のことを、ぼんやり思っていた。
僕の母は、満59歳の誕生日に入院先の病院で亡くなった。
僕が25歳のことだ。
僕は、今、58歳を何ヶ月か過ぎたところ。
未来のことは一寸先でも分からないが、このままなら、母親の年齢より長生きしそうである。
父親は早く亡くなって、僕が16歳の時、47歳だった。
その時はわけもわからず、ずっと泣いた。
母が亡くなった時は、泣くのも泣いたが、少し落ち着くと、一人になってしまったという心細さと、今まで存在していた人がいないという空虚な感じを受け入れるのに時間がかかった。
今でも、完全には、受け入れていないかもしれない。
あれ以来、僕は他者に対して、冷たくなったように思う。
本気で感情移入して泣くことが、なくなったようだ。
精神的に、一部歪になってしまったのかもしれない。
心の底から、泣いたり笑ったりが苦手になったようである。