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学校給食は農薬だよ。

2020年02月14日 10:57

はじめに
 これまでの調査で、輸入小麦を使用する小麦粉製品では、収穫直前に散布される除草剤グリホサートの影響と考えられる残留が認められることを報告してきました(報告1/報告2)。小麦の自給率が2 割に届かない日本の現状では、さまざまな小麦粉製品で、同様の傾向があると考えられます。このような結果や情報を考慮すると、子どもたちが食べる学校給食パンも、自治体によっては、輸入小麦を中心に製造されている製品であり、これまでの調査と同様に、グリホサートが残留している可能性があると考えられました。

 そこで、今回、私たちは、昨年6月から、様々な方の協力を得て、学校給食パンを入手し、グリホサート残留調査を実施しました。この報告は、その第1報になります。なお、学校給食パンの具体的な提供自治体名は、提供者のプライバシーなどがあるため、今回は伏せて公開しています。

分析方法などについて
学校給食パン試験

サンプルの入手期間は、2019年6月から2020年1月にかけて、自治体議員さんをはじめとした様々な方の協力を得て、学校給食会などから学校給食パンを入手しました。
入手できた学校給食パンは、合計14製品で、東北1製品(1県)、関東6製品(3県)、関西2製品(1府1県)、九州5製品(2県)でした。
入手できたパンのうち、小麦の原産地についての情報が入手できたものについては、結果表の原産地欄に表示しました。
グリホサートの残留検査は、高速液体クロマトグラフ質量分析計を利用した弊センター開発のグリホサート試験法で実施しました。検査対象成分は、グリホサートおよびその代謝物AMPAとなっています。本試験によるグリホサートの定量限界は0.01ppm、AMPAは定量限界は0.05ppmです。試験系は、ガラスフリー、極力メタルフリーで行っています。
LC/MS/MS法の条件について
高速液体クロマトグラフ質量分析計:島津製作所製LCMS -8050
分析カラム:InertSustain C18(metalfree column) 3um, 2.1x150mm
データ処理:島津製作所製LCMS Solution / Insight
定性・定量:ESI/MRM
結果
試験結果

 表1に示すように、学校給食パン14製品中、12製品でグリホサートの検出が認められました。検出が認められなかったのは、地場産小麦を使用しているものと、米粉を使用しているものの2製品のみでした。

表1学校給食パンのグリホサート残留調査結果2019
No. 商品名 地域 小麦の原産地 分析結果(ppm)
1 コッペパン学校給食パン) 関東 外国産80%, 県産小麦20% グリホサート 0.05
2 はちみつパン(学校給食パン) 関東 外国産80%, 県産小麦20% グリホサート 0.05
3 Sロール(学校給食パン) 関東 埼玉県産小麦100% 検出せず
4 コッペパン学校給食パン) 関東 外国産100% グリホサート 0.04
5 ロールパン学校給食パン) 関東 外国産100% グリホサート 0.05
6 学校給食コッペパン黒糖 関西 不明 グリホサート 0.07
7 学校給食パン 九州 不明 グリホサート 0.08
8 学校給食パン 九州 不明 グリホサート 0.08
9 学校給食パン 九州 不明 グリホサート 0.05
10 学校給食パン(米粉パン) 九州 県内産米「ヒノヒカリ」70%、県内産小麦「ミナミノカオリ」30% 検出せず
11 学校給食パン(焼きそばパン用) 関東 不明 グリホサート 0.07
12 小学校給食パン 関西 不明 グリホサート 0.03
13 給食パン 九州 アメリカカナダ グリホサート 0.07
14 給食パン(中学校のもの) 東北 不明 グリホサート 0.03
考察と補足

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