- 名前
- 松田文学男爵
- 性別
- ♂
- 年齢
- 60歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- 僕はアンドロイドなんだ。 アンドロイドだって夢は見る。 でも、それはキミたちのように...
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ピアノの森
2019年03月04日 22:58
録画溜め撮りしてあったピアノの森を見たら面白かったのでちょっとだけ感想。
ショパンコンクールでのライバルになる雨宮、パン・ウェイ、レフ・シマノフスキはそれぞれ名ピアニストで、彼らの演奏は観客を圧倒する。
見ていればわかるように、彼らはそれぞれが心に傷を負っているわけで、彼らのピアノの音の根源にはそれがある。
雨宮くんは、厳格なピアニストの父親の期待とカイの天性には敵わないというジレンマを抱えていて、故に彼のピアノは苦悩の音。
パン・ウェイは狂人の母の焼死体から生まれ出た呪われた出生と生育環境からの救いを求める救済の音。
レフ・シマノフスキは事故で昏睡状態の姉に対する贖罪のためのピアノ、贖罪の音。
どれもが聴衆の心を震わせるのだけれど、
主人公のカイくんはスラム街で娼婦の子として生まれ劣悪な環境で育った。このあたりはパン・ウェイと重なるわけで、そこは二人ともが阿字野先生を師とするところでさらに重なる。
でもカイくんはそういう不幸を全く気にしない。彼は森の中に捨ててあったピアノで自由な音を手に入れる。
彼のピアノは森の音。
これが他の3人と決定的に違うところで、カイくんのピアノは人間の感情を基にしない、自然の音、天のピアノなんだ。
だから聴衆は彼のピアノの中に自分自身を見つける。
カイのピアノに否定的だった審査員がカイのピアノの中に幼い時に弾いてくれた母のピアノを見出して涙を流す場面は象徴的だった。
だけど、天の音であるカイのピアノは人間のコンクールにはそぐわない。
そこがこの話の良くできているところで、
まあ、マンガの中では出色。
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