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初めての「再会」その2

2007年05月02日 21:37

それからというもの、とにかく早く終業時間にならないものかと気持ちばかりが端折ってしまう。
こういうときは逆に仕事に集中すれば、時間があっという間に過ぎる。
結局、夜8時になって会社を脱出。自分のクルマを走らせて都内へ向かう。首都高速フルスピードで。
彼女がいるホールのそばにクルマを停めて、とりあえずメール。
「そばにいるから、落ち着いたらメールしてね」
たぶん公演は9時近くまで、その後はファン同士で喫茶店あたりでワイワイやると聞いていたので、しばらくは時間があるのは分かっていた。
当時、自分のクルマワンボックスタイプだったので、都心の真ん中ではいささかやっかいな存在だった。つまり、入庫できる駐車場が限られてしまうのだ。
仕方なく、路上駐車をすると吉野家に入って牛丼を持ち帰りで買い求めた。近くの自動販売機烏龍茶ボトルも買い、自分のクルマに戻る。
吉野家の店内で食べるのもいいのだが、自分のクルマならテレビも観られるし、買った烏龍茶を飲みながら食事ができるので、そのまま路上駐車を続けて車内で夕食。
結局、彼女からメールが来たのは夜11時近くだった。
チェックインしたビジネスホテルの自分の部屋にファン同士で集まって“反省会”?が開かれていたそう。
ホテルの前に迎えに行く旨をメールすると、すぐにクルマを出す。
少し分かりにくい場所にあったホテルの前にたどり着くのに10分近くかかってしまった。ホテルの前に停車させると、ホテルの前から駆け寄る小柄な人影があった。
助手席が開くと彼女は黙って乗り込んでくる。
「待たせたね」
しかこんな在り来たりの言葉を交わしたと思う。
しばらくの間、お互いに緊張して言葉がうまく出ない。
とりあえずクルマを走らせる。
首都高速のランプにクルマを進め、そのまま夜の都内をドライブ。できるだけ夜景きれいなコースを選んで。
運転しながら助手席彼女に視線を移す。
シートに身をゆだねる彼女は小柄だった。身長は150を超えるぐらいだろう。ショートカットカワイイ感じの、素敵な女性だった。
1時間近くクルマを走らせてる内に、ホテルをチェックアウトして家にくるように話す。
ホテルの前に着くと、こんな夜中にチェックアウトできるものかと躊躇していたが、意を決したのか、じゃあちょっと待っててとクルマを離れていった。
10分以上待っただろうか、彼女は大きなボストンバッグを抱えてホテルから出てきた。
「チェックアウトできたよ」
よし、じゃあ行こう!

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