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浮き雲 カウリスマキ監督作品

2007年04月27日 20:05

さて、アキ・カウリスマキ監督作品の「浮き雲」です。
この邦題からして、何か日本の映画を意識していますよね。

あらすじは、40代の夫と30代後半の妻、ローンはあるものの(今日も夫がソニーテレビを買ってきて、リモコンがあるのを自慢しています)つましく暮らしています。夫は路線バスの運転手、妻はレストランの給仕長なのですが、夫の会社は経営が苦しく、従業員を集めてトランプのカードを引かせ、夫は見事リストラ対象になって解雇されます。
 仕事をさがそうとしつつ、酒の量も増える夫を心配していた妻の方も、レストランのオーナーが代わり、従業員はすべて解雇されます。妻も職業安定所通い。
 やっと夫が見つけたロシアへの運転手のみちも、聴力に問題があるとして運転免許そのものを失うはめに。妻がみつけた居酒屋の仕事も経営者が給料を払わず、税務署も押し掛ける有様です。夫が妻に給料を払わない、その経営者のところに行くと、ぼこぼこにされて港に捨てられてしみます(この辺の唐突ともいえる暴力侵食カウリスマキですね)。
 夫に愛想をつかしつつ、妻は自分でレストランを作ろうと、悪戦苦闘するのですが、そこへ現れたのが・・・・・。

 ラストに少し、ほっとする、何とか救いのある映画です。
 大きなアメ車、突然の暴力、無表情な男たち、天井が高くターコイズ・ブルーの色の壁をもつ部屋の風景・・・この監督はいつも自分のスタイルをこれでもかと見せつけます。
 どっかで、こういう映画見たなと思ったら、そうです日本が誇る「小津安二郎」の映画です。なるほど、くせになるわけがわかりました。つまり、カウリスマキフィンランド定食屋オヤジなんでしょうね。

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