- 名前
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- 「元」がつきますが一応プロの小説家。現在、 カムバック目指して修行中です。 そんな私...
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日本語の話、つづき。
2017年07月01日 21:04
前回から引き続き。
ズバリ、今回の画像。
ストーリーの流れを知らずとも、このシーンを見るだけでも、
大まかな内容は解るでしょう。人格が豹変していたのが、
元に戻った、というところです。
で。
案の定といいますか、これのアニメ版の英語字幕を見ると。
「俺」も「拙者」も「I」一文字。全く同じなんですよ……
それでは伝わらないものがあるのにっっ。
日本語なら。
これ、挿絵なしの小説でもきっちり書き分けられるんですよね。
「拙者」もそうですし、更に「ござる」のあるなしも添えて。
しかし英語だと。
そういうことができない。
だからそこを補うために、アメリカ人は身振り手振りや表情などを
大げさにすることで、「英語では伝えられない部分」を伝えようとする。
日本語・日本人はそれが不要であり、文字の並びだけで
感情まで伝えられるから、身振りや表情は最小限で済む。
それで「日本人は無表情」なんて言われるわけです。
つまり。
それだけ、日本「語」が高性能ってぇことです!
「語」だけで、情報のみならず思いも想いも伝えられる、と!
「ねえ」なら、例えば可愛い女の子が好意をもって呼びかけている。
「ちょっと」なら、例えばオバサンがイラついて呼び止めている。
「コラ」や「オイ」なら、例えばチンピラがケンカを売っている。
この四つ、英語だと全て「Hey」です。字幕で確認しました。
手紙など、文字だけの媒体では身振りや表情は使えませんからね。
すなわち、英語の情報伝達における、重要パーツが欠ける。
すなわち、情報不足になってしまうのではないのかと。
ビジネス文書ならそれでもいいでしょうが、
「オレ様」は「私」の弟、「だぜ」という不良が「ですよ」という学級委員に叱られる、
のような細かな表現が、小説の中でできない、描けない、読めない、
というのは……私がその当事者だったら、辛いです。ええ。
また別の話では。
日本のアニメ大好きなアメリカ人が、日本のアニメに英語の字幕をつけて
アメリカ人に紹介しようとした時、ある女の子の「〇〇ですぅ」という語尾を
どうしたもんだか、と悩んだそうです。
これを削ってしまったら、このキャラの可愛らしさを表現できない、
しかし英語にはそもそも語尾なんてものがない、そしてこれを
英語で書いたら「Death」になってしまうからシャレにならん、と。
「太郎様」を、ミスターやサーではなく、
「Tarou-sama」と字幕に書いてるのを見たことありますから、
ある程度は「音をそのまんま表記」もしてるみたいですが。
しかし。
「desuu」では、伝わらんでしょうなぁ。その女の子の可愛らしさは。
「です」が「敬語」であるという前提、そして「ぅ」をつけることで崩してるという経緯、
その上で更に「ええい、くたばりやがれですぅ~!」のような、本来の敬語としては
正しくない、独特な表現であるということの意味。
それらの知識が欠けていると、「zamasu」とか「gozaru」とか「daze」とかと、
全く同質のものとして見られてしまうわけで。
「ザマス」と「ですぅ」と「だぜ」の、それぞれが含むものの違いを感じることができず、
単なるアルファとベータとイプシロンとしか感じられないわけで。
ほんっとに、ホ・ン・トに、本当ぉ~に、日本人に生まれて良かったっっ。
特に私ぁ、文章での創作を志す者として、心からそう思います。
☆☆他にも、画像の作品から☆☆
〇〇は勉強になった、〇〇の経験を今後の役に立てる、という時に「〇〇を糧とする」って
言いますよね。こういう時の「糧」が、英語字幕だとモロに「フード」なんです。
シーフードやファーストフードのフード。つまり、ズバリ、食いもん・料理。……うぅ~。
あと。
「隙」も、「油断」も、「オフガード」って訳されてるんですよ。
ガードって、例えばボクシングで、疲れて腕が下がって「ガードが甘い」のガードですよ?
剣士が、「隙ありっ!」と言って斬り込むのが、
英語だと「ガードがオフ状態になってる!」と……
「ちゃうんや~! 隙、っちゅーのはもっとこう、なんちゅーか、ガード(防御)そのもの
とは区別すべきもんや! 精神面! 魂! ソウル! スピリッツ! ディスイズアペーン!」
と、まあ。
そんな風に、のたうち回って悶えながら見るのが、英語字幕の楽しみではあります。はは。
このデジログへのコメント
英語では3人称や複数形はきっちりしてるけど、日本語ではそこ区別なかったり
どこを重視するかの国民性や歴史の差かもしれないですね。
英語は一文でも、日本語は幾通りもの
訳し方があって、全然、印象が違います
もんね(*・∀・*)ノ
ほんと、日本語は奥が深いです
> eriさん
日本人らしい日本語の特徴としては、謙譲語・丁寧語・尊敬語と、敬語が豊富で複雑なこととか。
あと、上記通り「だぜ」「ねえ」など、ちょっとしたことで男らしさ・女らしさが出ることとか。
> はぎんちょさん
逆のパターンで、英語の方が豊富な分野も、少しはあるでしょうけど……少しでしょうねえ。
平仮名だけでアルファベットの倍、そして片仮名に漢字と、文法以前に表記も豊富。
だから面白い!
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