- 名前
- イチゴちゃん
- 性別
- ♀
- 年齢
- 42歳
- 住所
- 茨城
- 自己紹介
- 毎日元気に働いてます ゆっくりだけど、はっきり喋ります^^ 嫌がらせを受けていたの...
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ランカシャー・ホットポット
2017年02月21日 10:35
先日、ふとレストランに入りました。
商店街からちょっと外れた、古い建物のレストラン。
ドアを開けると、座席はわずかに5つほど。
日本に帰る前に、ちょっと冒険心を出しただけ。
ボードに書かれたメニューを見つめ、横にあった写真に目を向けると
そこには親友と赤ん坊の姿
そして、それを包み込むように貼ってあった、彼と私の写真。
このお店に私が来たのは、もちろん初めて。
お店の人に尋ねようと話しかけると
「ああ、写真の女の人は君かい。これは彼女(親友のこと)がいつもテーブルにおいていたものでね。
食事の最中、ずっと赤ん坊と写真に話しかけていたんだ。
亡くなった人のことかと思って黙っていたんだが、彼女が最後にお店に訪れた際に”飾っておいてくれ、いつかこの子がここに来るから”
って言うんだよ。それからしばらくしてだったね、彼女(親友)が亡くなったことを知ったのは。」
どうやら親友は、このレストランがお気に入りで
ここで食事をする際は、いつも私たちの写真をテーブルに飾り
一緒に食事していたそうです。
しばらくして運ばれてきた料理は、ランカシャー・ホットポットというラム肉にじゃがいもと玉ねぎを挟んで焼いたお料理。
「彼女はいつもこれをリクエストしては、”夫がこの料理が大好きなの。私が日本に住んでいたときはいつもこれだったのよ、お肉は牛だけど。”
ってよく話してくれたんだ。そうか、彼女の夫は君のお兄さんなんだね」
と、少々誤解を与えながらも楽しそうに話してくれる店主さん。
その料理をいただきながら、私は店主さんに(彼女が病気にかかったこと)や(赤ん坊が今日本に暮らしていること)
(彼女の夫もまた事故で亡くなったこと)などを話し、店主さんは寂しそうにしながら教えてくれました。
「彼女が妊娠していたときに、よくこのお店に来ては”ハーブは全部抜いてね、私は妊婦なんだから”と言っては
ラズベリーティーを注文していたよ。”元気な子を産んだら、私も夫の所へ行く予定なの”ってね。
そして食事前に祈るんだ、神にじゃなく彼にさ。俺は彼女に聞いたんだ、”彼は何かの宗教の教祖なのかい?”って。
そしたら彼女はこう答えた、”ええ、神よりも尊い人よ”って。彼は何者なんだい?」
「しばらくすると、彼女は赤ん坊を産んでいたよ。その赤ん坊はどう見てもアジア人の顔をしてなかったからね、俺は尋ねた。
”日本人の彼の子じゃないのか?”って。彼女は笑顔で言ったよ、”私に似たらたくましく育つから、君に似たほうがいいって
彼が外見をいたずらしたのよ。どんな姿の子であれ、私の可愛い子は紛れもなく彼の血と心を受け継いでいるわ”だとさ。
ありゃ、彼にクラクラだな。」
「一度、彼女が店内で大喧嘩したことがあったんだ。売春斡旋の中国人どもさ。騒がしくする彼女らが気に入らなかったのか
ものすごい剣幕で怒鳴っていたよ。君の夫も同じアジア人なんだから、仲良くするのが得策だろうって俺が言ったら
”日本と中国を一緒にしないで”って、俺まで怒られたよ。」
「たまに、俺の女房が赤ん坊のおしめを交換したんだ。女房は彼女に聞いたよ、”どんな素敵なレディに成長してくれるのかしら?”って。
彼女は誇らしげに言っていた、”寿司を上手に食べる世界で2番目の美女になる”だってさ。ちなみに1番は君かい?って俺が尋ねると
”よくわかってるわね”って答えてくれた。」
「俺は不思議に思って、ある日尋ねたんだ。”王の丘(イギリスのこと)にはたくさんのナイスな男共がいるのに
何で日本の男を選んだんだ?”って。彼女は教えてくれたよ。
”私のために銃弾の盾になってくれる男はこの国にたくさんいるわ。でも彼は盾になりながら私に微笑んでくれるのよ”
君の夫は兵士なのか?と聞くと”いいえ、サムライよ”。サムライってのは、自分の命が惜しくないのか?」
と、夕食に寄っただけの私にたくさんの思い出話を聞かせてくれ
心地よい時間を提供してくれました。
「悲しみの数を数えるよりも、幸せの数を数えるんだ。これからの君の生活が輝くことを願っているよ」
と、私を笑顔で送り出してくれました。
しばらく私は、微笑みながら眠れそうです。
このデジログへのコメント
縁と言うのは不思議なものですね。
しかし、何でこんなに魅力的なログが書けるんだろう。
もしかしたら。。。親友が導いてくれたのかもしれないですね
日本に帰る前に是非って言ってね^^
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