- 名前
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- 自己紹介
- 「元」がつきますが一応プロの小説家。現在、 カムバック目指して修行中です。 そんな私...
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ジェネレーション「大幅」ギャップ
2014年03月08日 21:19
今から30年前。その時、描かれた漫画や小説は、そこから10年後、つまり
今から20年前に読まれても、大して問題は無いでしょう。
普通、10年ぐらいでそうそう世の中は変わりはしませんから。
ところが。
「携帯電話」と「インターネット」。これだけは別です。
これを跨いでの10年は、全っっっっ然、世の中が違ってしまってます。
具体例を挙げてご覧にいれましょう。
私が中学生の時に読んだ、「機動警察パトレイバー」という漫画です。
これは、警察が巨大ロボットに乗って、同じく巨大ロボを使う犯罪者と戦う、
という内容です。
とりあえず巨大ロボですから、ガンダムでも鉄人28号でも、
わかるものをイメージして下さって結構です。
で、そのパトレイバーでですね。
大規模なテロ事件が起こり、主人公たちがピンチになるシーンがあるのですが。
その中に、こんなセリフがあります。
「電話線を切断された! 外部と連絡がとれない!」
ガンダムとか、鉄人28号みたいな、巨大ロボが戦ってるその足元で、
警察官たちがそうやって大騒ぎしてるんです。
今の若い人たちがみたら、爆笑するか首を捻るか。
「なんでケータイ使わないの? 巨大ロボなんかがある、未来の世界なのに?」
でしょうね。
でも、当時中学生だった私は、何の疑問もなくハラハラして手に汗握ってました。
パトレイバーはサンデーで連載されていた人気作品ですから、当時は日本全国の
みんなが、この「巨大ロボが戦ってる足元で、電話線を切断されて大パニック」
のシーンを緊迫して見てたんです。
警察が巨大ロボを使うような世の中でも、電話というのはそういうもんだ、と
認識していたから。
ところが。
それから10年後、サラリーマンになった私は、出先から携帯電話で通話してました。
そーゆーわけでですね。
小説を描いてる私ですけど、今となってはもう、現代の学園ものなんか
描けないんですよ。描こうとしたら、
木造の旧校舎に閉じ込められて、殺人鬼に追いかけられるヒロイン!
→なんでケータイで警察を呼ばないの?
連続猟奇事件のカギは、数十年前の事件! 図書館で手分けして古い新聞記事を……
→ぐぐれば?
と、まあ、こういうことになってしまいそうなので。
「今は携帯電話がある、今はインターネットがある」とブツブツ念じながらやっても、
どこかに穴が出来てしまいそうですし。第一、そんなことをずっと意識して描いてたら、
登場人物のセリフとかが作り物じみて演技臭くなってしまいそうで。
もちろん、私よりも更に年上で、それでもスムーズに現代ものを
描いておられる作家の先生方もたくさんおられますけどね。
でも私には無理です。未熟者なんで。
学園生活を描くとなれば、どうしても自分の実体験が下地になり、
そこには携帯電話もインターネットもないですから。
夢の世界から超能力者や殺人鬼を呼んでくることはできますが、
携帯電話やインターネットは夢の世界にはいませんしね。昔はそれらも、
夢の世界のシロモノだったのですが……ウルトラマンに出てくる地球防衛隊は、
光線銃が標準装備ですが、でも彼らが持ってる通信機は、現代の携帯電話より低性能。
昔を思い返してみれば。
彼氏彼女の家に電話したら、他の家族が出てしまって慌てふためくとか。
駅の伝言板に記されている、待ち合わせすっぽかされの怒りの言葉とか。
今の若い人から見たら、信じ難いほど不便、あるいは滑稽なんでしょうけど、
好景気でみんな豊かだったこともあり、のどかな世の中でしたよねえ……
あ、そうそう。
高校時代、私は、「駅の伝言板で文通」をしてたことがあります。
朝、登校時に書いておくと、下校時には返事が書かれていて。
顔も名前も知らない誰かと、毎日やりとり。楽しかったなあ。
……ある日、ちょっと登校時間が遅れた時には、私が見ているその前で、
私宛の返事を書いてる姿があったりして。ふふふふ。
ま、それは逆もあったでしょうけどね。それはそれで楽し、です。
このデジログへのコメント
ほんと今は便利ですよね~
その彼女さんとはリアで逢えたんですか(^_^)
> はぎんちょさん
あえて会いませんでした。暗号文で住所を伝え、年賀状のやりとりなんかはしましたけどね。
携帯電話は、外回りの営業なんかは無論、休日に外出していても容赦なく仕事の電話が
あったり……
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