通勤路

今朝も空があおかった。あお、と書いたのは青か蒼か碧かどれかよくわからなかったから。
分からないものにはとりあえず形を与えないでおく。
実際にどうなのかは問題じゃなくて、あくまで自分がどう感じるかが問題だ。

シャワーを浴びて、髪を乾かして。
朝食は会社で。くるみパンを食べる。Ａちゃんがくれるだろうから（実際に今日もくれた。いい子だ）


財布と携帯だけ持っていけばいいから、別に鞄は要らないんだけど一応鞄に突っ込んでおく。
狂った酒臭い男が暴れたりしたら投げつけて永久に黙らせてやる為に。
世界は物騒なのだ。

明治通り沿いの茶色のビルの窓は今日も１６個。昨日もそうだったし、きっと明日もそう。ビルが死ぬまで変わらない。
変わらないものは無いなんていうけど、身近な所にあるんだなとふと思った。

昨日は気分はともかく体調が悪かった。今朝はそれなり。少し頭痛がして熱が若干あるっぽいので薬を飲んでおく。
自然治癒なんて知ったことじゃないし、興味もないのだ。
俺はそれを今治したい。

渋谷駅から会社までは大体４００～４５０歩くらい。それから換算すると家から池袋駅までは３８０くらい。まだ数えてない。気分が向けば数える。

電車ではしょぼくれた村上春樹みたいなおっさんが前に座ってた。
彼は非常に簡単な言葉で、非常に複雑な物語を語れるんだろうか。と思ったけれど直ぐに尿意が襲ってきてそんな事はどうでもよくなってしまった。

会社に着く。
いつものようにＡちゃんに挨拶して無視されて、パンを貰い、Ｃ君をちらっと見て笑顔を貰って、電源を付けて仕事の用意もせずに煙草を吸いにいく。

かえる君の旅先は晴れてるんだろうか、とふと思ったけどそんな事はどうでもいいと直ぐに思いなおす。
実際の天気なんて知った事ではない。大事なのは気持ちが晴れているかどうかだから。

今日は良い日だときめたから良い日だ。
俺が朝一番で決める事。
決めた以上は何があっても結果は覆らない。後から決めるんじゃなくて、先に決めておく。
意味がある事には思えないけど、別にそんなことはどうでもいいのだ。