タイムマシーンがあったらば

こんにちわー、お嬢ちゃん。いきなりでごめんね、実はねー、あたしはねー、あなたなの。大人になったあなたなの。えっ、なに？･･･違うよ、違う違う、キレる17歳じゃないよ。中途半端にニュース見てるね小学生のくせに。だからあたしはあなたなんだってば。･･･じゃあ、わかった、言ってあげようか。あなた、給食で出たレーズンパンを食べたくないからってこっそりＳ君のランドセルに忍び込ませたでしょ。なっ、なぜそれを！？って、だからあたしはあなたなんだってば。･･･ようやく信じてくれたんだ。なに？うん？おっぱい小さい？しょうがないじゃない、環境ホルモンを注入されたわけじゃないんだから、そんな劇的なサクセスストーリーはないよ。･･･そうそう、今日は一言、伝えないといけないことがあるの。あなた、今日、自作の恋愛漫画を友達に見せようとしてるでしょ。お絵かき帳3ページ分の。いや、いや、描くのはいいの、うん、顔、赤くしないでいいから。別に小学校の低学年の時には、そんなこともあるから。でも友達に見せるのはやめときな。こわいぞ。女子のネットワークは。馬鹿にされちゃうぞ。ドリーマーとか呼ばれちゃうんだぞ。･･･わかった？そうそう、良いコだ。よしよし。あぁ、そうそう、どうせ描くなら、純愛ものにしといたほうがいいよ。恋人が病気で死んじゃって、助けてください！とか叫ぶようなやつ。タイトルは、世界の中心で愛を叫ぶ。うん？ベタ？そんなのが人気でるわけない？そうそう！あたしもそう思ってたの！でも流行るよ。じゃ、そろそろ帰るね。あっ、ちなみにねー、今度の土曜日のホームルームの時間、気を付けなよ。レーズンパン事件が議題にあがるから。･･･うん、無視しとけばオッケー。じゃあねー、ぐっばい。